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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻5号

2015年04月発行

文献概要

読者質問コーナー 内科診療 ここが知りたい!

心尖拍動図からどのようなことがわかるのでしょうか?

著者: 黒木茂広1

所属機関: 1とちぎメディカルセンターとちの木病院 循環器内科

ページ範囲:P.762 - P.763

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心尖拍動とは
 心尖拍動は,心臓の,特に左室機能を評価する大切な動きです.その定義は「the most lateral palpable ventricular movement or the most lateral cardiac impulse」1),「the outward movement of the left ventricular apical region」2)で,一般的には,胸壁上に触れる最外側の拍動とされています.心尖拍動は左室心尖部の運動を反映し,主に左室の内圧と容積の変化によって形成されますが3),その拍動の性質および記録した波形は,心外性要件,すなわち胸壁と心臓との結合(coupling)の状態に大きく影響されます(例:心膜,開心術後).
 心尖拍動の評価ポイントは,①位置(normal position, lateral deviation),②広さ(narrow, wide),③性状(tapping, sustained)の3つで,そのなかでも性状が大切です.そして,心尖拍動を客観的に波形として記録し,その性状を示したものが心尖拍動図です.心尖拍動を測る際には,左半側臥位のほうが仰臥位よりも圧倒的に触知率が高く,また仰臥位と左半側臥位では波形および計測値が異なるため,記録体位は左半側臥位に統一したほうがよいでしょう.

参考文献

1)Constant J:Bedside Cardiology(5th ed), LWW, 1999
, 2014
3)大木 崇(監),福田信夫:心疾患の視診・触診・聴診─心エコー・ドプラ所見との対比による新しい考え方,医学書院,2002
4)Tavel ME:Clinical Phonocardiography and External Pulse Recording, Mosby, 1985
5)坂本二哉:Cardiac Apex物語.J Cardiol 25, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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