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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻5号

2015年04月発行

文献概要

連載 Step up腹痛診察・20

40歳男性,心窩部痛,胸焼け

著者: 小林健二1

所属機関: 1亀田京橋クリニック消化器科

ページ範囲:P.792 - P.795

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[現病歴]以前より飲酒後や食後に胸焼けを自覚することがあった.3年前に胸焼けの精査として上部消化管内視鏡検査(EGD)を受けた際に逆流性食道炎を指摘された.この時にはプロトンポンプ阻害薬(PPI)の服用で症状が改善した.通院は自己判断で中断し,症状が強い時は市販の胃薬を服用していた.約2カ月前から,胸焼けの頻度が多くなり,胸焼けに加え心窩部痛を自覚するようになった.胸焼けと心窩部痛はいずれも食後や飲酒後に出現することが多かった.心窩部痛は鈍い痛みで,Numeric Rating Scale(NRS)で4〜5/10程度だった.痛みの放散はなく,痛みの始まりは緩徐で30分〜1時間弱くらい持続して徐々に消失することが多かった.嘔気,嘔吐,食欲低下,黒色便,体重減少,嚥下困難はなかった.また,労作時の症状出現もなかった.
今回は胸焼けの症状が悪化し,心窩部痛もあるため受診した.
[既往歴]脂質異常症,高尿酸血症.
[常用薬]アトルバスタチン,アロプリノール.
[社会歴]喫煙:20本/日×20年間.飲酒:ビール500〜1,000mL/日または日本酒1〜2合/日,週5日.
[家族歴]高血圧:父,糖尿病:母.

参考文献

1)Katz PO, et al:Guidelines for the diagnosis and management of gastroesophageal reflux disease. Am J Gastroenterol 108:308-328, 2013
2)Vakil N, et al:Symptom overlap between postprandial distress and epigastric pain syndromes of the Rome III dyspepsia classification. Am J Gastroenterol 108:767-774, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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