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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻6号

2015年05月発行

文献概要

特集 感染症診療 それ,ホント? 入院編

大腸菌菌血症でも比較的狭域なアンピシリンで治療できる場合があるってホント?

著者: 吉藤歩1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部内科学

ページ範囲:P.932 - P.935

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ポイント
●大腸菌菌血症は尿路系の感染(腎盂腎炎)や胆道系の感染(胆管炎や胆囊炎),bacterial translocationによる感染,カテーテル感染が原因で起こることが多い.
●アンピシリンとはグラム陰性桿菌の治療が可能となるようにと開発されたペニシリン系薬剤で,細菌の細胞壁合成を阻害し,殺菌的に作用する.
●大腸菌において,アンピシリンが感性である割合は55.6%(サーベイランス結果)であり,susceptibleであれば,治療可能である.
●大腸菌がアンピシリンに耐性となるのはβ-ラクタマーゼ産生が原因である.

参考文献

2)山口惠三,他:2010年に全国72施設の臨床材料から分離された12866株の各種抗菌薬に対する感受性サーベイランス.Jpn J Antibiot 65:181-206, 2012
3)Ambler RP:The structure of β-lactamases. Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci 289:321-331, 1980
4)Suárez CJ, et al:Mechanisms of resistance to beta-lactams in some common Gram-negative bacteria causing nosocomial infections. Expert Rev Anti Infect Ther 3:915-922, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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