文献詳細
特集 心不全クロニクル—患者の人生に寄り添いながら診る
入院管理:速やかに血行動態を改善する 【急性期:起座呼吸に対処する】
血管拡張薬—硝酸薬,カルペリチド,ニコランジル
著者: 秋山英一1 木村一雄1
所属機関: 1横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター
ページ範囲:P.1054 - P.1057
文献概要
●血管拡張薬は静脈系の拡張による前負荷の軽減,動脈系の拡張による後負荷の軽減により,volume central shiftをきたした心原性肺水腫(CS1)の血行動態,起座呼吸の自覚症状を改善する.
●硝酸薬は主に静脈系の拡張により,心原性肺水腫,起座呼吸の自覚症状を改善する.また,動脈系の拡張作用や冠血管拡張作用を有する.
●カルペリチドは,静脈系優位な血管拡張作用に加えて利尿作用や神経体液性因子抑制作用(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系抑制作用,交感神経抑制作用)を有する.
●ニコランジルは,血管拡張作用に加えてKATPチャネル開口作用,冠微小循環改善作用を有する.
参考文献
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