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特集 心不全クロニクル—患者の人生に寄り添いながら診る 重症心不全に挑む 【非薬物治療の現状と展望】
経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)
著者: 桃原哲也1
所属機関: 1公益財団法人日本心臓血圧研究振興会 附属榊原記念病院 循環器内科
ページ範囲:P.1138 - P.1141
文献購入ページに移動●高齢者の大動脈弁狭窄症(AS)が増加している.特に,CCUなどの集中治療室に入院する心不全の40%強がASで,院内死亡率も疾患別で最も高率である.
●しかし,十分に治療がなされていないことが問題点として挙げられている.
●非専門医が収縮期雑音を聴取した場合は,症状がない時点でも一度循環器専門医に紹介し,心エコーで評価することが大切である.
●重症ASに対して現時点では,大動脈弁置換術(AVR)が標準治療である.
●2回目以降の開胸術や解剖学的な問題などでAVRのリスクが高いあるいは困難な場合は,経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)の適応を検討する.
●TAVIのdeviceは,細径化や周辺からの逆流などの問題点を改善しつつ,急速に進化し良好な成績を収めている.
●外科的に置換した生体弁の中にTAVIを行う“valve in valve”が非常に有効な治療として注目されている.
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