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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻7号

2015年06月発行

文献概要

連載 Step up腹痛診察・22

72歳男性,心窩部痛

著者: 小林健二1

所属機関: 1亀田京橋クリニック消化器科

ページ範囲:P.1212 - P.1215

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[現病歴]3カ月前から食後30分程して心窩部に鈍痛を自覚するようになった.痛みは比較的緩徐に始まり持続性で,約1〜2時間持続した後に消失した.疼痛の強さは,当初Numeric Rating Scale(NRS)で3〜4/10だったが,最近では5〜7/10になった.また,最近1カ月間は痛みの頻度が増した.時に嘔気を伴い,痛みは背部に放散することがあった.家族と一緒に外食をし,いつもより多く食べた時には痛みの程度が強かった.食欲はあったが,最近は食事をすると腹痛が出現することから食事量は控えめにしていた.最近3カ月間で約8kgの体重減少がある.発熱,黒色便,下痢,便秘はなかった.
[既往歴]高血圧症,2型糖尿病,脂質異常症.
[常用薬]オルメサルタンメドキソミル(オルメテック®),メトホルミン(メトグルコ®),シタグリプチン(ジャヌビア®),アトルバスタチン(リピトール®).
[社会歴]喫煙:20歳から20本/日,47年間.飲酒:ワイン グラス1杯/日,週1〜2回.
[家族歴]高血圧症(父),糖尿病(母).

参考文献

1)Brandt LJ, Feuerstadt P:Intestinal ischemia. Feldman M, et al(ed):Sleisenger and Fordtran's Gastrointestinal and Liver Disease, 9 th ed, pp2028-2047, Saunders, Philadelphia, 2010
2)Wilson DB, et al:Clinical course of mesenteric artery stenosis in elderly americans. Arch Intern Med 166:2095-2100, 2006
3)American Gastroenterological Association Medical Position Statement:Guidelines on Intestinal Ischemia. Gastroenterology 118:951-953, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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