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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻8号

2015年07月発行

文献概要

特集 自信がもてる頭痛診療 なんといっても頻度の高い一次性頭痛を診る 【片頭痛】 Column

不思議の国のアリス症候群

著者: 工藤雅子1

所属機関: 1岩手医科大学内科学講座神経内科・老年科分野

ページ範囲:P.1296 - P.1296

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 「不思議の国のアリス症候群(Alice in wonderland syndrome)」は,てんかんや片頭痛などに関連する奇妙な症候として1955年にイギリスの精神科医Toddによって提唱された1).この名称は,Lewis Carrollの小説「Alice's Adventure in wonderland(邦題:不思議の国のアリス)」からとられているが,同小説のなかで主人公アリスは,自分の身体の一部が伸びたり,大きくなったり,逆に小さくなったりする現象(図1)を体験しており,これが本症候群におけるbody imageの障害(後述)と類似していることからつけられた名称である.Lewis Carrollは片頭痛に悩んでいたとされ,自身の片頭痛発作時の体験をもとにこの小説を創作したのではないかと推察されている.
 本症候群は以下の4症状で形成される.

参考文献

1)Todd J:The syndrome of Alice in wonderland. Can Med Assoc J 73:701-704, 1955
2)山根清美:不思議の国のアリス症候群.神経症候群(第2版)V,pp 864-868, 日本臨牀社,2014
3)亀井 淳,他:磁気共鳴画像で異常を認めたEBウィルス脳症による不思議の国のアリス症候群の1例.脳と発達34:348-352, 2002
4)Smith RA, et al:Hallucinations and illusions in migraine in children and the Alice in Wonderland Syndrome. Arch Dis Child 100:296-298, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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