icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina52巻8号

2015年07月発行

文献概要

特集 自信がもてる頭痛診療 さまざまな二次性頭痛を診る

三叉神経痛と顔面痛—多様な顔面痛をいかに鑑別するか

著者: 髙橋牧郎1

所属機関: 1大阪赤十字病院神経内科

ページ範囲:P.1348 - P.1352

文献購入ページに移動
ポイント
●頭頸部痛,顔面痛は三叉神経,中間神経,舌咽・迷走神経,後頭神経により伝達される.それぞれの解剖学的走行と支配領域を熟知することが診断に不可欠である(図1)1)
●典型的三叉神経痛と有痛性三叉神経痛の違いを理解する.前者は発作性で不応期があり,血管の圧迫などによることが多く,後者は持続性で帯状疱疹,外傷,多発性硬化症に加え腫瘍などの占拠性病変に関連して発症することが多い.
●舌咽神経痛の罹患率は三叉神経痛の1/100程度で,比較的高齢者に多い.口蓋扁桃などをトリガーポイントとし,嚥下時などに誘発される発作性,反復性,片側性の電撃痛であり,徐脈,失神発作,心停止など迷走神経刺激症状が出現することがある.
●舌咽神経痛の原因は血管による神経の圧迫,腫瘍による圧迫,茎状突起過長症(Eagle症候群)など何らかの圧迫によることが多い.

参考文献

1)慶應義塾大学医学部解剖学教室ホームページ─医学の発展のために http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/funatoka/(2015年5月閲覧)
2)日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会(訳):国際頭痛分類,第3版beta版,医学書院,2014
3)Morelli N, et al:Ramsay-Hunt syndrome complicated by unilateral multiple cranial nerve palsies. Neurol Sci 29:497-498, 2008
4)Raeder JG:Paratrigeminal paralysis of oculo-pupillary sympathetic. Brain 47:149-158, 1924
5)Coon EA, Laughlin RS:Burning mouth syndrome in Parkinson's disease;Dopamine as cure or cause? J Headache Pain 13:255-257, 2012
6)Prieto R, et al:Trigeminal neuralgia;Assessment of neurovascular decompression by 3D fast imaging employing steady-state acquisition and 3D time of flight multiple overlapping thin slab acquisition magnetic resonance imaging. Surg Neurol Int 3:50, 2012
7)五味慎太郎,他:三叉神経痛,辻 省次,鈴木則宏(編):識る診る治す頭痛のすべて,pp 276-279,中山書店,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?