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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻8号

2015年07月発行

文献概要

連載 総合診療のプラクティス 患者の声に耳を傾ける・12

薬剤性の疾患は,薬剤開始直後に起きるとは限らない

著者: 松岡保史1 見坂恒明2

所属機関: 1自治医科大学地域医療学センター総合診療部門 2神戸大学大学院医学研究科地域医療支援学部門

ページ範囲:P.1376 - P.1378

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 生物にとって,病を癒すことが重要であることは言うまでもありません.動物は本能的に草を食み,傷口を舐めます.それは長い時を経て,次第に人間らしい知恵のある医療行為,薬剤の使用へと進化しました.薬を英語で言うと「medicine」ですが,他に「まじない」という意味があるところに,進化の過程が想像できます.
 19世紀初頭,植物から有効成分の抽出に成功し近代薬学が始まり,1866年にベンゼン環の構造が解明されると,1897年にアセチルサリチル酸(アスピリン)が合成され,近代的合成化学が始まりました1).それ以降,次々に新しい薬剤が生まれましたが,それと同時に有害事象も増えていきました.薬剤性有害事象の頻度は全患者の10%前後という報告もあり2),患者を診察する際に薬剤使用歴の確認はきわめて重要です.

参考文献

1)石坂哲夫:やさしいくすりの歴史,南山堂,1994
2)Allegranzi B, et al:Summary of the evidence on patient safety;Implications for research, WHO, 2008
3)藤本和久:薬疹の診断と治療—重症型薬疹への対応.日医大医会誌2:103-107, 2006
,2014
,2014
6)森 信好,田中まゆみ:聖路加Common Diseaseカンファレンス.medicina 45:752-757,2008
7)柴田寿彦,長田芳幸(訳):マクギーの身体診断学(第2版/原著第3版)—エビデンスにもとづくグローバル・スタンダード,診断と治療社,2014
8)古谷伸之:診察を極める! Dr.古谷のあすなろ塾.レジデント1:5-10,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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