文献詳細
文献概要
連載 診断力を上げる 循環器Physical Examinationのコツ・4
右室拍動,そのほかの拍動の診かた
著者: 山崎直仁1
所属機関: 1高知大学医学部附属病院老年病科・循環器科
ページ範囲:P.1380 - P.1385
文献購入ページに移動右室拍動の診察で何がわかるか
胸部X線写真の側面像を見るとわかるが,健常人では,右室は胸鎖関節〜横隔膜までの長さの下1/3以下の範囲でしか前胸壁と接していない.そのため,痩せた若年者などを除き,通常右室の拍動は胸壁上で触知されない.しかし,右室が拡大すると前胸壁と接する範囲が上方にまで拡がり,胸骨に接する面積が大きくなり,胸骨左縁で傍胸骨拍動として認められるようになる.つまり傍胸骨拍動があると,右室の拡大,肥大が存在すると言える.肺動脈拍動,左房拍動はいずれも,正常では認められない.肺動脈拍動が認められれば,肺高血圧を強く疑う.左房拍動の存在は,左房の拡大,左房圧の上昇を示唆する.
胸部X線写真の側面像を見るとわかるが,健常人では,右室は胸鎖関節〜横隔膜までの長さの下1/3以下の範囲でしか前胸壁と接していない.そのため,痩せた若年者などを除き,通常右室の拍動は胸壁上で触知されない.しかし,右室が拡大すると前胸壁と接する範囲が上方にまで拡がり,胸骨に接する面積が大きくなり,胸骨左縁で傍胸骨拍動として認められるようになる.つまり傍胸骨拍動があると,右室の拡大,肥大が存在すると言える.肺動脈拍動,左房拍動はいずれも,正常では認められない.肺動脈拍動が認められれば,肺高血圧を強く疑う.左房拍動の存在は,左房の拡大,左房圧の上昇を示唆する.
参考文献
1)Harvey WP:Cardiac Pearls, pp 204-205, Laennec Publishing, 1993
2)Perloff JK:Physical examination of the heart and circulation, pp 127-156, People's Medical Publishing House, 2009
掲載誌情報