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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻8号

2015年07月発行

文献概要

連載 診断力を上げる 循環器Physical Examinationのコツ・4

右室拍動,そのほかの拍動の診かた

著者: 山崎直仁1

所属機関: 1高知大学医学部附属病院老年病科・循環器科

ページ範囲:P.1380 - P.1385

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右室拍動の診察で何がわかるか
 胸部X線写真の側面像を見るとわかるが,健常人では,右室は胸鎖関節〜横隔膜までの長さの下1/3以下の範囲でしか前胸壁と接していない.そのため,痩せた若年者などを除き,通常右室の拍動は胸壁上で触知されない.しかし,右室が拡大すると前胸壁と接する範囲が上方にまで拡がり,胸骨に接する面積が大きくなり,胸骨左縁で傍胸骨拍動として認められるようになる.つまり傍胸骨拍動があると,右室の拡大,肥大が存在すると言える.肺動脈拍動,左房拍動はいずれも,正常では認められない.肺動脈拍動が認められれば,肺高血圧を強く疑う.左房拍動の存在は,左房の拡大,左房圧の上昇を示唆する.

参考文献

1)Harvey WP:Cardiac Pearls, pp 204-205, Laennec Publishing, 1993
2)Perloff JK:Physical examination of the heart and circulation, pp 127-156, People's Medical Publishing House, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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