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文献詳細

雑誌文献

medicina52巻8号

2015年07月発行

文献概要

連載 Step up腹痛診察・23

61歳女性,臍周囲の疼痛

著者: 小林健二1

所属機関: 1亀田京橋クリニック消化器科

ページ範囲:P.1400 - P.1403

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[現病歴]来院1カ月前から臍の裏側が引っ張られるような痛みを自覚するようになった.引っ張られるような痛みの持続は1〜2分程度で,その痛みが繰り返し起こった.痛みはどちらかというと鈍い痛みで,強さはNumeric Rating Scale(NRS)で2/10くらいだった.疼痛は臍周囲に限局し,放散痛はなかった.痛みの発症は急激ではなかった.痛みが気になり,近医の内科を受診した.その際に受けた血液検査,尿検査ではCRPが軽度上昇(1.53mg/dL)していた以外に異常はなく,対症療法としてロキソプロフェンを処方された.同薬を服用すると痛みは比較的速やかに消失するためしばらく様子をみていたが,発症から半月を過ぎても痛みが続くことから再び同医を受診した.同医での診察の結果,婦人科疾患の可能性もあるということで婦人科受診を勧められ,婦人科を受診.婦人科の検査でDouglas窩に腹水の貯留を認めたが,婦人科臓器に異常はなく内科的疾患が疑われたため当院受診となった.
明らかな疼痛の誘因はなく,食事や排便,姿勢との関連はなかった.食欲低下,嘔気・嘔吐,下痢,便秘,体重減少はなかった.
[既往歴]なし.
[常用薬]ロキソプロフェン(頓用).
[社会歴]喫煙:6本/日,35年間.飲酒:ビール350mL/日,毎日.

参考文献

1)Palazzi DL, Brandt ML:Care of the umbilicus and management of umbilical disorders. UpToDate(2015年4月閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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