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特集 外来で出会う呼吸器common疾患 呼吸器系の外来治療総論
ワクチン—肺炎球菌とインフルエンザ
著者: 宮下修行1
所属機関: 1川崎医科大学総合内科学1
ページ範囲:P.1526 - P.1530
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●わが国では肺炎が死因の第3位であり,死亡例の約97%は高齢者である.高齢者肺炎の多くは誤嚥が関与しており,高齢者肺炎の予防が国策の1つである.
●1988年に23価肺炎球菌多糖体ワクチン(PPSV23)が発売され,2014年に沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)が成人で承認された.
●2014年10月からPPSV23が定期接種化されたが,その対象は65歳から5歳区切りとなっている.
●日本臨床内科医会の研究では,2001年以降,多くのシーズンで接種群のほうが非接種群よりもインフルエンザ発生率が低く,ワクチンの有効性が示されている.
●わが国では肺炎が死因の第3位であり,死亡例の約97%は高齢者である.高齢者肺炎の多くは誤嚥が関与しており,高齢者肺炎の予防が国策の1つである.
●1988年に23価肺炎球菌多糖体ワクチン(PPSV23)が発売され,2014年に沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)が成人で承認された.
●2014年10月からPPSV23が定期接種化されたが,その対象は65歳から5歳区切りとなっている.
●日本臨床内科医会の研究では,2001年以降,多くのシーズンで接種群のほうが非接種群よりもインフルエンザ発生率が低く,ワクチンの有効性が示されている.
参考文献
1)松本慶蔵:肺炎球菌ワクチンの新しい展開,医薬ジャーナル社,2005
2)厚生労働省健康局結核感染症課予防接種室:沈降13価肺炎球菌結合型ワクチンについて.第10回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会,2015年7月16日 tp://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000058658.pdf
3)Dagan R, et al:Comparative immunogenicity and efficacy of 13-valent and 7-valent pneumococcal conjugate vaccines in reducing nasopharyngeal colonization:a randomized double-blind trial. Clin Infect Dis 57:952-962, 2013
4)Maruyama T, et al:Efficacy of 23-valent pneumococcal vaccine in preventing pneumonia and improving survival in nursing home residents;Double blind, randomised and placebo controlled trial. BMJ 340:c1004, 2010
5)Kawakami K, et al:Effectiveness of pneumococcal polysaccharide vaccine against pneumonia and cost analysis for the elderly who receive seasonal influenza vaccine in Japan. Vaccine 28:7063-7069, 2010
6)Bonten M, et al:Polysaccharide conjugate waccine against pneumococcal pneumonia in adults. N Engl J Med 372:1114-1125, 2015
7)Tomczyk S, et al:Use of 13-valent pneumococcal conjugate vaccine and 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine among adults aged ≥65 years;Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices(ACIP). MMWR 63:822-825, 2014
8)日本呼吸器学会ワクチン検討WG委員会,日本感染症学会ワクチン委員会:65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方,2015
9)日本臨床内科医会インフルエンザ研究班(編):インフルエンザ診療マニュアル2014-2015年シーズン版(第9版),日本臨床内科医会,2014
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