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連載 いま知りたい 肺高血圧症・4
慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するカテーテル治療
著者: 幡中邦彦1 松原広己2
所属機関: 1国立病院機構岡山医療センター循環器科 2国立病院機構岡山医療センター臨床研究部
ページ範囲:P.164 - P.167
文献購入ページに移動慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thrombo-embolic pulmonary hypertension:CTEPH)とは,器質化した血栓により広範囲の肺動脈が慢性的に狭窄・閉塞し,肺高血圧症[安静仰臥位での平均肺動脈圧(mean pulmonary arterial pressure:mPAP)が25 mmHg以上]を呈した病態である.慢性の定義としては,一般に6カ月以上にわたり,肺血流分布ならびに肺循環動態の異常が大きく変化しない状態とされている.適切な治療がなされなかった場合,右心不全から死に至る予後不良な疾患であり,Riedelら1)の1982年の報告によると,mPAPが30mmHg未満もしくは肺血管抵抗(pulmonary vascular resistance:PVR)が300 dynes・sec・cm-5未満の症例では予後良好だが,mPAPが30mmHg,40mmHg,50mmHgと上昇するにつれて,5年生存率は約50%,30%,10%へ低下するとされている.
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