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特集 超高齢時代の内科診療 呼吸器
誤嚥性肺炎—誰が診るか,どこで診るか,誰が決めるか
著者: 山田哲也1
所属機関: 1岩手県立中部病院総合診療科
ページ範囲:P.1569 - P.1572
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●誤嚥性肺炎の予防・治療は,地域や各施設の実情に合わせて多職種で関わることが望ましい.
●誤嚥性肺炎の治療は,急性期病院に限らず,本人や家族の状況に合わせて訪問診療や介護施設で行うこともある.
●経口摂取ができなくなった場合,患者本人や家族の希望,患者の状態・予後などを考慮し,人工的水分・栄養補給法(AHN)の導入について検討する.AHNを導入しない場合は,終末期の緩和ケアについて,どこで,誰が行うのかについて話し合う.
●誤嚥性肺炎の入院や抗菌薬治療は,延命効果と急性期の症状緩和効果はあるものの,長期のQOLを悪化させる恐れもある.治療やケアの方針を決める際は患者・家族と話し合い,納得のいく合意形成を目指す.
●誤嚥性肺炎の予防・治療は,地域や各施設の実情に合わせて多職種で関わることが望ましい.
●誤嚥性肺炎の治療は,急性期病院に限らず,本人や家族の状況に合わせて訪問診療や介護施設で行うこともある.
●経口摂取ができなくなった場合,患者本人や家族の希望,患者の状態・予後などを考慮し,人工的水分・栄養補給法(AHN)の導入について検討する.AHNを導入しない場合は,終末期の緩和ケアについて,どこで,誰が行うのかについて話し合う.
●誤嚥性肺炎の入院や抗菌薬治療は,延命効果と急性期の症状緩和効果はあるものの,長期のQOLを悪化させる恐れもある.治療やケアの方針を決める際は患者・家族と話し合い,納得のいく合意形成を目指す.
参考文献
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