icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina53巻10号

2016年09月発行

文献概要

特集 超高齢時代の内科診療 感染症

高齢者の予防接種と注意点—肺炎球菌,インフルエンザ,破傷風

著者: 坂西雄太1 倉田毅12

所属機関: 1佐賀大学医学部地域医療支援学講座 2医療法人けやき会くらたクリニック

ページ範囲:P.1604 - P.1607

文献購入ページに移動
ポイント
●高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンには23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)と13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)の2種類があり,侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の予防に重要である.
●PPSV23は対象年齢が限定された定期接種であり,PCV13は任意接種のみである.IPDの高リスク者には任意接種であっても接種を検討する.
●高齢者に対するインフルエンザワクチンは,毎年の接種が推奨される.
●1967年以前に出生した者は破傷風トキソイドの定期接種歴がない.破傷風の予防には3回接種による基礎免疫の獲得,また10年ごとの追加接種が必要である.

参考文献

1)国立感染症研究所:13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(成人用)に関するファクトシート.生物学的製剤基準上の名称:沈降13価肺炎球菌 結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体) http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000093331.pdf(2016年5月31日閲覧)
2)Kraicer-Melamed H, et al:The effectiveness of pneumococcal polysaccharide vaccine 23(PPV23)in the general population of 50 years of age and older;A systematic review and meta-analysis. Vaccine 34:1540-1550, 2016
3)Diao WQ, et al:Efficacy of 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine in preventing community-acquired pneumonia among immunocompetent adults:A systematic review and meta-analysis of randomized trials. Vaccine 34:1496-1503, 2016
4)Bonten MJ, et al:Polysaccharide conjugate vaccine against pneumococcal pneumonia in adults. N Engl J Med 372:1114-1125, 2015
5)日本呼吸器学会呼吸器ワクチン検討WG委員会/日本感染症学会ワクチン委員会・合同委員会:65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(アップデート版2015-9-5),2015 http://www.kansensho.or.jp/guidelines/pdf/o65haienV_150905.pdf(2016年5月31日閲覧)
6)日本感染症学会肺炎球菌ワクチン再接種問題検討委員会:肺炎球菌ワクチン再接種に関するガイドライン,2009 http://www.kansensho.or.jp/guidelines/pdf/pneumococcus_vaccine.pdf(2016年5月31日閲覧)
7)Trucchi C, et al:Influenza vaccination in the elderly;Why are the overall benefits still hotly debated? J Prev Med Hyg 56:e37-43, 2015
8)逢見憲一:公衆衛生からみたインフルエンザ対策と社会防衛─19世紀末から21世紀初頭にかけてのわが国の経験より.保健医療科学58:236-247, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?