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文献詳細

雑誌文献

medicina53巻10号

2016年09月発行

文献概要

特集 超高齢時代の内科診療 糖尿病

血糖コントロール不良例には良好例よりも認知機能低下症例が多く潜在するか?

著者: 櫻井孝1

所属機関: 1国立長寿医療研究センターもの忘れセンター

ページ範囲:P.1614 - P.1616

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ポイント
●糖尿病は成年期〜高齢期を通して認知症のリスクである.
●糖尿病では認知症がなくても認知機能が少し低下する.食事の準備,内服管理などのIADLの支障をきたし,セルフケアの障害につながる.
●慢性高血糖では認知症・認知障害のリスクが高まる.
●血糖管理を正常化するトライアルでは,認知機能改善効果は認められなかった.一方,重症低血糖は認知症のリスクである.また認知症では,低血糖のリスクが増加する.
●成年期から認知症の予防を考えた糖尿病治療を行う.高齢者糖尿病では,低血糖に十分な配慮を行い,高血糖を是正すべきである.

参考文献

1)櫻井 孝:高齢者糖尿病の管理(血糖管理を中心に).糖尿病57:696-698, 2014
2)Crane PK, et al:Glucose levels and risk of dementia. N Engl J Med 369:540-548, 2013
3)Koekkoek PS, et al:Cognitive function in patients with diabetes mellitus;Guidance for daily care. Lancet Neurol 14:329-340, 2015
4)Whitmer RA, et al:Hypoglycemic episodes and risk of dementia in older patients with type 2 diabetes mellitus. JAMA 301:1565-1572, 2009
5)Feil DG, et al:Risk of hypoglycemia in older veterans with dementia and cognitive impairment;Implications for practice and policy. J Am Geriatr Soc 59:2263-2272, 2011
6)高齢者糖尿病の治療向上のための日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会:高齢者糖尿病の血糖コントロール目標について(HbA1c値),日本糖尿病学会,2016 http://www.jds.or.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=66(日本老年医学会:高齢者診療におけるお役立ちツール.http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/tool/index.html)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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