文献詳細
文献概要
特集 超高齢時代の内科診療 糖尿病
メトホルミン—高齢者に対するメトホルミン投与は本当に危険で不利益な治療なのか?
著者: 荒木厚1
所属機関: 1東京都健康長寿医療センター糖尿病・代謝・内分泌内科
ページ範囲:P.1618 - P.1621
文献購入ページに移動ポイント
●メトホルミンの使用は心血管疾患,サルコペニア,フレイル,死亡を減らす報告がある.
●メトホルミンの使用はSU薬やインスリンの減量により,低血糖のリスクを減らすことができる.
●メトホルミンは腎機能,消化器症状,水分摂取,体重などをモニターして慎重に使用し,体調不良の場合は中止する.
●高齢者に対しては,定期的に腎機能をeGFRで評価してメトホルミンを使用し,eGFR<30 mL/分/1.73 m2であれば禁忌である.
●高齢者へのメトホルミン使用は腎機能の正確な評価とシックデイ対策が十分になされるならば可能であり,さまざまな利益をもたらすこと期待される.
●メトホルミンの使用は心血管疾患,サルコペニア,フレイル,死亡を減らす報告がある.
●メトホルミンの使用はSU薬やインスリンの減量により,低血糖のリスクを減らすことができる.
●メトホルミンは腎機能,消化器症状,水分摂取,体重などをモニターして慎重に使用し,体調不良の場合は中止する.
●高齢者に対しては,定期的に腎機能をeGFRで評価してメトホルミンを使用し,eGFR<30 mL/分/1.73 m2であれば禁忌である.
●高齢者へのメトホルミン使用は腎機能の正確な評価とシックデイ対策が十分になされるならば可能であり,さまざまな利益をもたらすこと期待される.
参考文献
1)Ekström N, et al:Effectiveness and safety of metformin in 51675 patients with type 2 diabetes and different levels of renal function;A cohort study from the Swedish National Diabetes Register. BMJ Open 2:e001076, 2012
2)Solini A, et al:Age, renal dysfunction, cardiovascular disease, and antihyperglycemic treatment in type 2 diabetes mellitus;Findings from the Renal Insufficiency and Cardiovascular Events Italian Multicenter Study. J Am Geriatr Soc 61:1253-1261, 2013
3)Salpeter SR, et al:Risk of fatal and nonfatal lactic acidosis with metformin use in type 2 diabetes mellitus. Cochrane Database Syst Rev(version 4):CD002967, 2010
4)Chang CH, et al:Epidemiology of lactic acidosis in type 2 diabetes patients with metformin in Japan. Pharmacoepidemiol Drug Saf, 2016(doi:10.1002/pds.4030)
5)Kajbaf F, et al:Metformin therapy and kidney disease;A review of guidelines and proposals for metformin withdrawal around the world. Pharmacoepidemiol Drug Saf 22:1027-1035, 2013
6)SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会:SGLT2阻害薬の適正使用に関する Recommendation(2016年5月12日改訂), 日本糖尿病学会,2016 http://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/recommendation_SGLT2.pdf(2016年6月閲覧)
掲載誌情報