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文献詳細

雑誌文献

medicina53巻11号

2016年10月発行

文献概要

特集 主治医として診る高血圧診療 血液,尿検査はどれくらいの頻度で何を診るべきか

関連トピックス レニン-アンジオテンシン系の最近のトピックス

著者: 茂木正樹1

所属機関: 1愛媛大学大学院医学系研究科分子心血管生物・薬理学

ページ範囲:P.1748 - P.1748

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その高血圧にレニン-アンジオテンシン系(RAS)はどのくらい関与しているか
 血圧や生活習慣病に密接に影響するRASは基礎研究より臓器障害に深く関与することが知られているが,実際の高血圧臨床において,目の前の患者にRASがどれほど関与しているかの判断は難しい.RAS阻害薬を投与し,レスポンスの早い降圧効果や臓器障害の長期的な抑制効果が認められた際にはRASの関与を実感するかもしれない.また,動脈硬化や心肥大など,高血圧性臓器障害が比較的強い患者ではRASの亢進が疑われる.さらに,微小血管の内皮細胞におけるインスリン抵抗性の存在は,内皮細胞の一酸化窒素(NO)誘導性の血管拡張機能を低下させるが,その作用にRASの活性化によるインスリン受容体のリン酸化の関与が示唆される1).インスリン抵抗性があり脈波伝播速度が高い患者ではRASが亢進している可能性が高いと考えられる.
 RAS阻害薬既服薬者では,血中RASの測定は休薬して検討することも実際には難しいことに加え,二次性高血圧症のスクリーニングを除くと本態性高血圧患者における血中RASレベルをRAS活性化の指標とするのは難しいと考えられる.

参考文献

1)Manrique C, et al:New insights into insulin action and resistance in the vasculature. Ann N Y Acad Sci 1311:138-150, 2014
2)Kobori H, et al:Urinary angiotensinogen as a novel biomarker of the intrarenal renin-angiotensin system status in hypertensive patients. Hypertension 53:344-350, 2009
3)Michel FS, et al:Urinary angiotensinogen excretion is associated with blood pressure independent of the circulating renin-angiotensin system in a group of african ancestry. Hypertension 64:149-156, 2014
4)Moranne O, et al:Determinants and changes associated with aldosterone breakthrough after angiotensin II receptor blockade in patients with type 2 diabetes with overt nephropathy. Clin J Am Soc Nephrol 8:1694-1701, 2013
5)Fujita T:Mechanism of salt-sensitive hypertension;Focus on adrenal and sympathetic nervous systems. J Am Soc Nephrol 25:1148-1155, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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