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文献詳細

雑誌文献

medicina53巻11号

2016年10月発行

文献概要

特集 主治医として診る高血圧診療 ライフステージごとの診療の留意点

関連トピックス 胎内環境と高血圧

著者: 森典子1

所属機関: 1東京大学22世紀医療センター/コンピュータ画像診断学・予防医学講座

ページ範囲:P.1817 - P.1817

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Barker仮説(DOHAD仮説)と生活習慣病
 Barkerらは英国で生まれた2,500 g以下の低出生体重児では成人後,心血管系疾患による死亡率が高いという疫学研究結果を1986年に報告した1).また,第二次世界大戦中1945〜1946年のオランダ飢饉の際に妊婦から生まれた子の追跡調査では,成人期での肥満,インスリン分泌低下,高血圧,心疾患リスクの上昇,早期閉経,卵巣機能低下などが認められている.このように出生時体重(ひいては胎児環境)が発達後成人期の疾患リスクと関連をもつという考え方はBarker仮説,DOHAD(developmental origin of health and disease)仮説と呼ばれ,2003年にHanson MとGluckman Pらによって提唱された2)

参考文献

1)Barker, et al:Infanc mortality, childhood nutrition, and ischaemic heart disesase in England and Wales. Lancet 1:1077-1081, 1986
2)Hanson M, et al:Report on the 2nd World Congress on Fetal Origins of Adult Disease, Brighton, U.K, June 7-10, 2003. Pediatr Res 55:894-897, 2004
3)Scherrer U, et al:Fetal programming and epigenetic mechanisms in arterial hypertension. Curr Opin Cardiol 30:393-397, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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