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文献詳細

雑誌文献

medicina53巻13号

2016年12月発行

文献概要

特集 内分泌疾患を診きわめる 甲状腺疾患 ホルモン欠乏症 【原発性甲状腺機能低下症】

潜在性甲状腺機能低下症

著者: 志村浩己1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.2173 - P.2176

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ポイント
●潜在性甲状腺機能低下症は,血中TSHが高値であるが,血中FT4が基準範囲にとどまる病態である.
●潜在性甲状腺機能低下症は無症候のことが多いが,脂質異常症,心不全,動脈硬化性疾患のリスク要因になりうる.
●潜在性甲状腺機能低下症に対する甲状腺ホルモン補充療法は,原因の鑑別診断を行うとともに,経過観察による高TSH血症の持続性および合併症やリスクを確認したうえで行う.一般的にはTSHが10 μIU/mL以上の場合に治療の適応となる.
●潜在性甲状腺機能低下症による妊孕性の低下や流早産のリスクが指摘されており,妊娠を望む女性や妊婦ではより軽症からの治療が推奨されている.

参考文献

1)Cooper DS, Biondi B:Subclinical thyroid disease. Lancet 379:1142-1154, 2012
2)浜野久美子:健診における潜在性甲状腺機能低下症の再現性について.ホルモンと臨56:691-694, 2008
3)志村浩己,他:人間ドックにおける潜在性甲状腺機能低下症と潜在性甲状腺機能亢進症の頻度.ホルモンと臨56:673-678, 2008
4)網野信行,他:Subclinical hypothyroidism潜在性甲状腺機能低下;診断と治療の手引き.ホルモンと臨56:705-724, 2008
5)甲状腺疾患と妊娠.日本甲状腺学会(編):甲状腺専門医ガイドブック,pp 233-236,診断と治療社,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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