icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina53巻2号

2016年02月発行

文献概要

特集 脳卒中はこう診る—新ガイドラインで何が変わったか

フリーアクセス

著者: 西山和利1

所属機関: 1北里大学医学部神経内科学

ページ範囲:P.197 - P.197

文献購入ページに移動
 脳卒中は日本人の国民病である.頭部画像診断が進歩するまでは,脳卒中は日本人の死因の第1位であり,有効な治療法が乏しい分野であった.さらにはほかの臓器疾患に比して脳卒中を専門とする医師数は少なく,兎にも角にも脳卒中は「治らない疾患」というイメージが強かった.やがて,頭部CTやMRIの登場,血圧管理をはじめとする危険因子管理の向上などに伴い,本邦における脳卒中の死亡率は明らかな低下を示した.しかし,多くの医師や関係者の努力にもかかわらず,脳卒中はいまだ本邦における死因の第4位,寝たきりになる原因の第1位の地位にある.すなわち,脳卒中は一命をとりとめても,後遺症に苦しむ患者が多いことを意味している.
 昨今の脳卒中治療の発展には目を見張るものがあり,脳卒中は予防にも治療にも長足の進歩がある.そうした進歩を具に知るには論文にあたるのが王道であるが,脳卒中に関する論文だけでも毎年数万にも及び,それらをすべて把握することは不可能に近い.そこで現代医学においては,治療の道標になるものは科学的証拠に基づいて作成されるガイドラインということになる.脳卒中の治療ガイドラインは2009年に改訂されて以来,今回6年ぶりの全面改訂がなされ,「脳卒中治療ガイドライン2015」が2015年6月に発刊された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら