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文献詳細

雑誌文献

medicina53巻2号

2016年02月発行

文献概要

特集 脳卒中はこう診る—新ガイドラインで何が変わったか 押さえておくべき脳卒中のトピックス

遺伝性脳小血管病を診断する

著者: 野崎洋明1 西澤正豊2 小野寺理3

所属機関: 1新潟大学医学部保健学科検査技術科学専攻 2新潟大学脳研究所臨床神経科学部門神経内科学分野 3新潟大学脳研究所生命科学リソース研究部門分子神経疾患資源解析学分野

ページ範囲:P.335 - P.338

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ポイント
●脳小血管病(CSVD)とは,脳小血管を病変の首座とする疾患群を指す用語である.
●大脳白質病変があり,ラクナ梗塞,脳出血,微小出血のいずれかを伴い,頭部MRAで50%を超える主幹動脈狭窄がなければ,病的意義のあるCSVDが存在する.
●CSVD患者を診療する際,次のいずれかを1つでも満たす場合は遺伝性CSVDの可能性を考える.①脳卒中について2親等以内の家族歴がある,②60歳未満の発症である,③高血圧症がない.
●脳卒中の発症が小児期か成人期か,白質病変が両側性かつびまん性かどうか,神経外臓器の合併症があるかどうかの情報だけでも,遺伝性CSVDを起こす疾患を絞り込める.

参考文献

1)野崎洋明,他:遺伝性脳小血管病研究の現況と展望.日本臨牀71:545-554, 2013
2)Pantoni L:Cerebral small vessel disease;From pathogenesis and clinical characteristics to therapeutic challenges. Lancet Neurol 9:689-701, 2010
3)Tan RY, Markus HS:Monogenic causes of stroke;Now and the future. J Neurol 262:2601-2616, 2015
4)Norrving B:Evolving Concept of Small Vessel Disease through Advanced Brain Imaging. J Stroke 17:94-100, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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