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文献詳細

雑誌文献

medicina53巻3号

2016年03月発行

文献概要

連載 診断力を上げる 循環器Physical Examinationのコツ・12

連続性雑音の聴きかた—連続性雑音はⅡ音をまたぐ

著者: 山崎直仁1

所属機関: 1高知大学医学部附属病院 老年病科・循環器科

ページ範囲:P.541 - P.547

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 連続性雑音は,収縮期から拡張期にかけて,Ⅱ音を越えて連続的に聴取される雑音と定義される.雑音がⅡ音をまたぎさえすれば連続性雑音であり,必ずしも収縮期─拡張期を通じて途絶えることなく聴こえ続ける必要はない.英語でいうと,連続性雑音は“Murmurs that never end”ではなく,“Murmurs that go beyond the second heart sound”ということになる.
 連続性雑音は図1に示すように①狭義の連続性雑音と②収縮期横断性雑音の2種類に分けられる1).①狭義の連続性雑音は収縮期─拡張期を通じて連続的に聴こえ,高圧─低圧シャントが存在するときに聴取される.②収縮期横断性雑音(transsystolic murmur)は収縮期を横断しⅡ音をまたぐが,拡張期後半には雑音は消失している.このタイプの雑音は血管に高度の狭窄病変があるときに聴取される.

参考文献

1)福田信夫:心疾患の視診・触診・聴診.心エコー・ドプラ所見との対比による新しい考え方,pp31-42,医学書院,2002
2)大倉宏之:連続性雑音が聴こえた場合どのような疾患を考えるのか,また心エコーアプローチをいかに行うか.心エコー14:338-346, 2013
3)吉川純一:循環器フィジカル・イグザミネーションの実際,pp 58-63,文光堂,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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