文献詳細
書評
—兼本浩祐,丸 栄一,小国弘量,池田昭夫,川合謙介 編—臨床てんかん学 フリーアクセス
著者: 田中達也12
所属機関: 1旭川医大 2国際抗てんかん連盟(ILAE)
ページ範囲:P.767 - P.767
文献概要
日本の現在の人口は1億2000万人強となり,約100万人の患者が推定されているが,80%以上の症例では,きちんとした治療により発作はコントロールされており,通常の社会生活が十分に可能である.しかし,てんかんの大きな問題点は,偏見である.このため,学校生活,雇用,人間関係にさまざまな問題があり,社会的な弱者に対しての,法制度の整備も十分とは言えない状況にある.2011年と2012年に起きた,てんかん患者による悲惨な交通事故は,てんかん治療の社会的な問題の複雑さ,てんかん治療の重要性を再認識させられた.しかし,一面では,法制度整備の盲点を浮き上がらせたとも考えられる.
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