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文献詳細

雑誌文献

medicina53巻7号

2016年06月発行

文献概要

特集 抗菌薬の考え方,使い方—ホントのところを聞いてみました 中枢神経系感染症

細菌性髄膜炎

著者: 土井朝子1

所属機関: 1神戸市立医療センター中央市民病院総合診療科

ページ範囲:P.984 - P.987

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Question 1
原因菌が不明の細菌性髄膜炎の治療では,CTRXやABPC,VCMやPAPMなどを併用すると聞きますが,結局カルバペネム単剤で治療することも多いです.抗菌薬選択について,実際にはどのようにされていますか? ホントのところを教えてください.
なぜ起炎菌が不明?
 細菌性髄膜炎は市中と院内発症で想定される起炎菌が異なり,比較的原因菌が限定される感染症です.また市中発症でも年齢により起炎菌は異なります(表1).まずは起炎菌を想定することからです.原因菌が不明な理由はいろいろありますが,
①抗菌薬投与後に髄液検査が行われた.
②血小板減少や凝固障害による出血のリスクがあり,髄液検査が行えなかった.
③抗菌薬投与前に髄液検査が行われ,多核球の増多を伴う細胞数上昇があったが,グラム染色陰性,培養陰性であった.
などがあるでしょう.①が最も多いと思います.

参考文献

1)James HE, et al:The management of cerebrospinal fluid shunt infections:a clinical experience. Acta Neurochir(Wien)59:157-166, 1981
2)Brown EM, et al:Conservative management of patients with cerebrospinal shunt infections. Neurosergery 58:657-665, 2006
3)厚生労働省 院内感染症対策サーベイランス(JANIS)事業検査部門 2014年年報(CLSI2012試行版). http://www.nih-janis.jp/report/open_report/2014/3/1/ken_Open_Report_201400%28clsi2012%29.pdf(2016年4月閲覧)
1)John B, et al(eds):Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infection Disease 8 th edition, pp 1097-1137, pp 1186-1193, WB Saunders, Philadelphia, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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