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文献詳細

雑誌文献

medicina53巻7号

2016年06月発行

文献概要

特集 抗菌薬の考え方,使い方—ホントのところを聞いてみました その他

サイトメガロウイルス感染症

著者: 阿部雅広1 荒岡秀樹1

所属機関: 1虎の門病院臨床感染症科

ページ範囲:P.1038 - P.1040

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Question 1
サイトメガロウイルス感染症の検査でC7-HRPやC10C11などいくつかの血液検査があります.これらが上昇していればCMV感染症と診断していいのでしょうか? 感染が疑われる部位の生検って必要なんでしょうか? ホントのところを教えてください.
 サイトメガロウイルス(CMV)感染症の理解においては,CMV感染(infection)とCMV感染症(disease)を明確に区別することが重要になります.CMV感染とは,検体からCMVがPCR法などで検出される場合や細胞変性効果の確認によるCMVの分離,CMV抗原血症の証明(C7-HRPやC10C11などの血液検査陽性)が認められた状態を示します.
 これに対してCMV感染症は,肺,腸管,肝臓,網膜などの好発臓器に感染所見・症状が生じている状態を意味します.CMV感染症の検査としてCMV抗原血症のみ認められる場合,あるいは臓器症状とCMV抗原血症の状態だけではCMV感染症の確定診断としては不十分です.症状を呈する臓器に対して,生検などの侵襲的処置を行うことでCMV感染の存在を証明したり,CMV感染細胞を証明することが必要となります.

参考文献

1)日本造血細胞移植学会:造血細胞移植ガイドライン サイトメガロウイルス感染症,第2版,2011 http://www.jshct.com/guideline/pdf/guideline_CMV_2.pdf(2016年2月18日閲覧)
2)青木 眞:レジデントのための感染症診療マニュアル,第3版,医学書院,2015
). https://aidsinfo.nih.gov/contentfiles/Adult_OI.pdf (2016年2月18日閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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