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特集 胸部画像診断—症状や身体所見からのアプローチ
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著者: 芦澤和人1
所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬総合研究科臨床腫瘍学
ページ範囲:P.1115 - P.1115
文献購入ページに移動国内には,胸部単純X線写真や胸部CTに関する素晴らしい教科書が存在するが,その多くは,疾患別や画像パターン別に記載されている.本特集では,一般内科の研修医・勤務医・開業医の方々の実臨床を想定し,これまでと異なった観点から画像所見を記載した.すなわち,患者の呼吸器症状や他臓器の症状・身体所見・病態,あるいは患者背景に注目して,commonな疾患や稀だが臨床的に重要な疾患を取り上げて症例を呈示し,行うべき画像検査,画像所見の特徴,診断のポイントに関してコンパクトに要点をまとめることを心がけた.昨今のMDCTやMRI,FDG-PET/CTなどの画像機器の進歩には目覚ましいものがあるが,特にCT検査は短時間で施行できるようになったため,その適応を考慮することなく安易に行われている現状がある.また,若い医師において胸部単純X線写真の読影が疎かにされている傾向があることも否めない.本特集で胸部単純X線写真の役割を再考していただき,読者の実臨床において役立つことを切に願うばかりである.
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