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書評
—向山政志,平田純生 監修 中山裕史,竹内裕紀,門脇大介 編—腎機能に応じた投与戦略—重篤な副作用の防ぎかた
著者: 山縣邦弘1
所属機関: 1筑波大・腎臓内科学
ページ範囲:P.1709 - P.1709
文献購入ページに移動 2016年2月に日本医療開発機構 腎疾患実用化研究事業「慢性腎臓病の進行を促進する薬剤等による腎障害の早期診断法と治療法の開発(研究代表者:成田一衛)」の薬剤性腎障害の診療ガイドライン作成委員会(委員長:山縣邦弘)のもとで「薬剤性腎障害診療ガイドライン2016」が発刊された.その中では,薬剤性腎障害(DKI:Drug induced kidney disease)を「薬剤の投与により,新たに発症した腎障害,あるいは既存の腎障害のさらなる悪化を認める場合」と定義した.DKIの分類としては発症機序から,(1)中毒性腎障害,(2)アレルギー機序による急性間質性腎炎(過敏性腎障害),(3)薬剤による電解質異常,腎血流量減少などを介した間接毒性,(4)薬剤による結晶形成,結石形成による尿路閉塞性腎障害としている1).
薬剤の多くが腎排泄性であり,腎臓はより高濃度の薬剤に曝露されやすいため,上記DKIの分類の中でも中毒性腎障害をきたす危険性が高い.このような中で本書は腎機能に応じた適切な投与法を指南し,薬剤血中濃度の上昇による全身性の副作用を未然に防ぐための貴重な解説書である.
薬剤の多くが腎排泄性であり,腎臓はより高濃度の薬剤に曝露されやすいため,上記DKIの分類の中でも中毒性腎障害をきたす危険性が高い.このような中で本書は腎機能に応じた適切な投与法を指南し,薬剤血中濃度の上昇による全身性の副作用を未然に防ぐための貴重な解説書である.
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