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文献詳細

雑誌文献

medicina54巻11号

2017年10月発行

特集 自信をもって対応する—虚血性心疾患

冠動脈疾患のメカニズム

―Column―プラークの破綻によるイベントを予測できるか?

著者: 和田英樹1 宮内克己1

所属機関: 1順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学

ページ範囲:P.1885 - P.1885

文献概要

血管内超音波,光干渉断層法,NIRSを用いたイベント予測への期待
 急性冠症候群(acute coronary syndrome:ACS)の多くは,冠動脈造影検査にて有意狭窄を示さない50%以下の軽度〜中等度の病変から発症することが知られている.つまり,冠動脈造影検査ではACSの発症を予測することは困難である.しかし,血管内超音波(intravascular ultrasound:IVUS)や光干渉断層法(optical coherence tomography:OCT)などの侵襲的検査法により,①ポジティブリモデリング,②薄い線維性被膜,③壊死性コアの3つの特徴をもつ不安定プラークがプラーク破裂の原因となることが立証されてきた.ACSを発症し経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervension:PCI)を施行した患者を前向きに観察したPROSPECT試験では,IVUSで観察されたplaque burden≧70%,最小血管面積4.0 mm2未満,virtual histology thin-cap fibroatheroma(VH-TCFA)の存在が心血管イベントの独立した予測因子であることが示された.また,従来のIVUSやOCTに加え,近赤外線の吸光度を利用し,プラーク内の脂質成分を画像化するnear-infrared spectroscopy(NIRS)が本年よりわが国でも臨床応用されており,不安定プラークの検出およびイベントの予測法になることが期待されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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