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書評
—日本神経治療学会 監修 福武敏夫,安藤哲朗,冨本秀和 編—しびれ感—標準的神経治療 フリーアクセス
著者: 山田正仁1
所属機関: 1金沢大大学院・脳老化・神経病態学/神経内科学
ページ範囲:P.2006 - P.2006
文献概要
総論部分では,神経症候学や神経生理学のエキスパートが,“しびれ(感)”の概念,解剖・生理学,評価方法について語っており,大変興味深く参考になる.“しびれ”という日本語には感覚異常と運動麻痺の両者が含まれること,本書が対象とする感覚異常としての“しびれ”(=“しびれ感”)においても具体的表現(訴え)にはさまざまなものがあり(“じんじん”“びりびり”など),それらの背景となる原因や病態生理も多様であることなどがわかりやすく解説されている.最もコモンな訴えの一つである“しびれ”についての問診や診察のコツが,基礎になる解剖や生理学を踏まえて理解される.“しびれ感”を訴える患者さんの神経診察時にみられるさまざまなサイン(徴候)について,診断上のエビデンスレベルが示されている点も画期的である.
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