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書評
—神田善伸 著—みんなのEBMと臨床研究 フリーアクセス
著者: 能登洋12
所属機関: 1聖路加国際病院内分泌代謝科 2東京医科歯科大学医学部
ページ範囲:P.227 - P.227
文献概要
このような現実において,本来のEBMや臨床研究の本質を見直し,基本に立ち帰ることを促す点で本著は臨床的価値が高い.EBMの総論解説に始まり,臨床研究の実際,統計解析,論文作成という順で展開し,誰でもすぐに実用できるよう構成には教育的視点からの配慮がなされている.特記すべきことは,序文にもあるように「EBMも臨床研究も,入り口は診療現場のクリニカルクエスチョン」であることが一貫して述べられていることである.「エビデンス商法」に騙されないよう,一見難解な非劣性試験や多重比較についての明快な解説項もあり,臨床の現場にいる医師にとって有用な解説が詰まっている.
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