icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina54巻2号

2017年02月発行

文献概要

特集 おさらい腎疾患—明日から役立つアプローチの基本 全身性疾患に伴う腎疾患

動脈硬化に伴う腎疾患

著者: 上原正弘1 木谷昴志1 草場哲郎1

所属機関: 1京都府立医科大学循環器腎臓内科

ページ範囲:P.238 - P.242

文献購入ページに移動
Point
◎高齢化とともに高血圧性腎硬化症の患者数は増加傾向にある.しかし,その診断は除外診断であり,糸球体腎炎や間質性腎炎の見逃しに注意が必要である.
◎腎硬化症と診断された患者のなかには,アテローム型動脈硬化を合併している群があり,進行性に腎機能障害が悪化する一因となっている可能性があるため,適宜,腎動脈狭窄の評価が必要である.
◎腎血管性高血圧の診断には超音波検査が有用である.治療は内服治療が中心だが,エビデンスはないものの,経皮的腎動脈形成術(PTRA)が有効な場合もあり,症例により適応を検討する.
◎コレステロール塞栓症は生命予後・腎予後ともに不良であり,問診や身体所見から疑わしい場合は,速やかに専門医への紹介が望ましい.

参考文献

1)日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン作成委員会(編):高血圧治療ガイドライン2014,ライフサイエンス出版,2014
2)Wilcox CS:Use of angiotensin-converting-enzyme inhibitors for diagnosing renovascular hypertension. Kidney Int 44:1379-1390, 1993
3)Wheatley K, et al:Revascularization versus medical therapy for renal-artery stenosis. N Engl J Med 361:1953-1962, 2009
4)Nakahama H, Sakaguchi K:Small dose oral corticosteroid treatment rapidly improved renal function in a patient with acute aggravation of chronic renal failure due to cholesterol embolism. Nephrol Dial Transplant 16:872-873, 2001
5)Scolari F, et al:The challenge of diagnosing atheroembolic renal disease;Clinical features and prognostic factors. Circulation 116:298-304, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?