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文献詳細

雑誌文献

medicina54巻3号

2017年03月発行

文献概要

連載 いま知りたい 胃炎の診かた・5

臨床現場からみた胃炎とは?

著者: 増山仁徳1 春間賢2 鎌田智有3 大和田進4

所属機関: 1増山胃腸科クリニック 2川崎医科大学総合内科学2教室 3川崎医科大学健康管理学 4アスクオオワダ

ページ範囲:P.548 - P.551

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 Helicobacter pyloriH. pylori)感染胃炎の除菌療法は2013年2月に保険適用となり,「胃炎=H. pylori感染胃炎」を意味するようになった.H. pyloriの感染診断や除菌療法を行うためには,内視鏡によるH. pyloriの感染診断が求められている1).本稿では,臨床現場において内科医や研修医が胃炎について知っておくべきポイントを「胃炎の京都分類」(表1)2)に沿って概説する.
 内視鏡で胃内を観察する際は,悪性疾患を見逃さないことはもちろんであるが,「H. pylori未感染胃粘膜」「H. pylori現感染胃粘膜」「H. pylori既感染胃粘膜(除菌後あるいは高度萎縮による菌の自然消失)」の診断,および「薬剤による胃粘膜変化」の合併の確認と「発癌のリスクを胃粘膜から判断」することが重要である.実臨床では,問診を含めた患者との会話からどのような胃炎,どのような胃粘膜の状態かを推理することから始まる.

参考文献

1)春間 賢,他:胃炎とは?─最近の考え方.medicina 53:2020-2023, 2016
2)春間 賢(監):胃炎の京都分類,メディカルセンター,2014
陰性・正常胃粘膜内視鏡像の検討.Gastroenterol Endosc 42:1977-1987, 2000
4)Kimura K, Takemoto T:An endoscopic recognition of the atrophic border and its significance in chronic gastritis. Endoscpy 3:87-97, 1969
5)Masuyama H, et al:Relationship between the degree of endoscopic atrophy of the gastric mucosal and carcinogenic risk. Digestion 91:30-36, 2015
6)鎌田智有:多発性扁平隆起,敷石状粘膜.春間 賢(監):胃炎の京都分類,pp 91-95,メディカルセンター,2014
が駆逐された」群ではない.日ヘリコバクター会誌14:5-14, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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