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文献詳細

雑誌文献

medicina54巻6号

2017年05月発行

特集 プライマリ・ケア医のための消化器症候学

全身症状

吃逆—「しゃっくりが止まりません」「呼吸が苦しくなります」

著者: 近藤司1

所属機関: 1藤田保健衛生大学救急総合内科学

ページ範囲:P.824 - P.828

文献概要

Point
◎吃逆は「横隔膜の痙攣」ではない.横隔膜の収縮と声門閉鎖が同期して発生する呼吸器系反射運動である.
◎反射弓は背側鼻咽頭の粘膜,舌咽神経咽頭枝,延髄疑核近傍網様体,横隔神経,反回神経からなる.
◎受容器から中枢にかけての,求心路のどの部位が刺激されても反射運動が生じるため,中枢神経系疾患の関与が稀ではない.
◎胃食道逆流症(GERD)による粘膜刺激が原因の場合は,投薬治療だけでなく,特に生活習慣是正の指導が大切である.
◎まったく関係なさそうな部位の悪性腫瘍が原因と考えられる症例があり,難治性吃逆症例では全身の検索が必要である.

参考文献

1)南山堂医学大事典(第17版),p 856,南山堂,1990
2)Arita H, et al:Generation of hiccup by electrical stimulation in medulla of cats. Neurosci Lett 175:67-70, 1994
3)Oshima T, et al:GABAergic inhibition of hiccup-like reflex induced by electrical stimulation in medulla in cats. Neurosci Res 30:287-293, 1998
4)Kondo T, et al:Hiccup reflex is mediated by pharyngeal branches of glossopharyngeal nerve in cats. Neurosci Res 47:317-321, 2003
5)Oshima T, et al:Hiccup-like response elicited by mechanical stimulation of dorsal epipharynx of cats. J Appl Physiol 76:1888-1895, 1994
6)近藤 司:しゃっくり.有田秀穂(編):呼吸の事典,pp 221-229,朝倉書店,2006
7)近藤 司,田中 誠:質疑応答;硬膜外ステロイドと吃逆,夜間覚醒について.臨床麻酔30:232-234, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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