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文献詳細

雑誌文献

medicina54巻9号

2017年08月発行

文献概要

特集 皮膚疾患が治らない!—皮膚科医が教える“次の一手” 総論

間違いだらけの混合処方

著者: 大谷道輝1

所属機関: 1杏雲堂病院薬剤科

ページ範囲:P.1393 - P.1397

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Point
◎皮膚外用薬の混合では,基剤特性の理解が重要である.基剤特性は「油」と「水」に分けて考え,両者は混ざらないことを考慮して組み合わせを選択する.
◎薬品名から基剤を判別することはできない.例えば,アクアチム®軟膏やザーネ®軟膏はクリームである.
◎クリームの皮膚透過性は軟膏やローションに比べ優れる.
◎軟膏とクリームを混合すると軟膏の効果は維持・亢進するが,クリームの効果が減弱する.
◎注射薬と同様に,皮膚外用薬も混合によりpHが変化し,主薬含量が低下する場合がある.

参考文献

1)大谷道輝,他:市販軟膏およびクリーム剤の混合製剤の物理化学的安定性と配合薬物のin vitroでの皮膚透過性の検討.病院薬学23:11-18, 1997
2)Fini A, et al:Control of transdermal permeation of hydrocortisone acetate from hydrophilic and lipophilic formulations. Pharm Sci Tech 9:762-768, 2008
3)川島 真:血管収縮試験.日独医報38:13-20, 1993
4)大谷道輝,他:基剤中に溶解している主薬濃度および皮膚透過性を指標としたステロイド外用薬の先発および後発医薬品の同等性評価.日皮会誌121:2257-2264, 2011
5)川野泰明,他:ハイドロコルチゾン17-ブチレートの安定性および分解機構.薬剤学41:71-81, 1981

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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