文献詳細
書評
—篠原幸人 監修 永山正雄,濱田潤一,三宅康史 編—神経救急・集中治療ハンドブック—Critical Care Neurology 第2版 フリーアクセス
著者: 阿部康二1
所属機関: 1岡山大学大学院・脳神経内科学
ページ範囲:P.1564 - P.1564
文献概要
医の原点は救急現場にありとはよく知られたことであるが,それまで必ずしも十分に救急や集中治療のトレーニングを受ける機会に恵まれなかった研修医たちにとって,新しい臨床研修制度下で救急現場研修が義務化されたことは歓迎すべきことである.救急現場における神経系の疾患は最も遭遇頻度が高いものの一つであり,脳卒中をはじめ,頭痛,めまい,ふらつき,しびれ,けいれん発作,髄膜炎,脳炎,せん妄など多様な症状から鑑別すべき疾患もまた多様であり,救急患者の意識レベルの判定や,基本的診察手技,脳画像検査,血液ガス分析,腰椎穿刺,脳血管造影など枚挙にいとまがないほど多数の検討項目がある.このような,一見難しいが基本をしっかり体得すればどのような救急・集中治療現場でも意外とすんなり対応できる神経救急について,これまで座右に置く参考書が少なかったのは不思議である.
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