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文献詳細

雑誌文献

medicina55巻13号

2018年12月発行

文献概要

特集 これからの心不全診療への最新アプローチ—予防からチーム医療・先進医療まで 診断

心エコー

著者: 岡田厚1 泉知里1

所属機関: 1国立循環器病研究センター心臓血管内科(心不全科)

ページ範囲:P.2190 - P.2193

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Point
◎左室収縮能の評価には左室駆出率(ejection fraction:EF)が用いられるが,左室機能を評価する際にはEFだけでなく左室径を意識することも重要である.
◎左室拡張能の低下や左室充満圧の上昇は単一の指標では評価できないため,複数の指標を用いて総合的に判断される.
◎HFmrEF(heart failure with mid-range EF)は,2016年に提唱された新しい病態区分であり,その臨床的意義についてはさらなる研究が求められている.
◎右室は,左室と異なり複雑な形態をしているため,右心機能の評価法は十分には確立していない.現状では,心尖四腔断面像からの評価法が多く使われている.
◎心エコーにより血行動態を推定し,心不全の病態変化に合わせてくり返し評価を行うことが有用である.

参考文献

1)筒井裕之,他(編):急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版),日本循環器学会/日本心不全学会,2017 http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2017_tsutsui_h.pdf(2018年8月閲覧)
2)Nagueh AF, et al:Recommendations for the evaluation of left ventricular diastolic function by echocardiography;An update from the American Society of Echocardiography and the European Association of Cardiovascular Imaging. J Am Soc Echocardiogr 29:277-314, 2016 ※日本心エコー図学会から日本語訳「心エコーによる左室拡張機能評価のための勧告」が公開されている. http://asecho.org/wordpress/wp-content/uploads/2018/06/Diastolic-Function_Japanese.pdf(2018年8月閲覧)
3)Ponikowski P, et al:2016 ESC Guidelines for the diagnosis and treatment of acute and chronic heart failure;The Task Force for the diagnosis and treatment of acute and chronic heart failure of the European Society of Cardiology(ESC)Developed with the special contribution of the Heart Failure Association(HFA)of the ESC. Eur Heart J 37:2129-2200, 2016
4)Abbas AE, et al:Noninvasive measurement of systemic vascular resistance using Doppler echocardiography. J Am Soc Echocardiography 17:834-838, 2004
5)Abbas AE, et al:A simple method for noninvasive estimation of pulmonary vascular resistance. J Am Coll Cardiol 41:1021-1027, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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