文献詳細
書評
—総編集 佐々木裕 編集委員 木下芳一,下瀬川徹,渡辺 守—最新ガイドライン準拠—消化器疾患診断・治療指針 フリーアクセス
著者: 菅野健太郎1
所属機関: 1自治医科大学
ページ範囲:P.2281 - P.2281
文献概要
エビデンスに基づく医療(EBM)は,単に臨床研究によって得られたエビデンスだけではなく,医師の技量,患者の価値観,患者を取り巻く状況という4本柱に基づく医療を指すのであるが,その実践にあたってガイドラインの果たす役割は大きい.それゆえ,これらの最新のガイドラインを要領よくまとめてある本書の有用性は高い.しかし,たとえば,新規薬の参入が相次いでいる炎症性腸疾患や,悪性腫瘍の治療については,現行のガイドラインでは必ずしも十分に対応できているとはいえず,アップデートが必要となるであろう.また,新薬も相次いで発売され,一般医家が遭遇する機会の多い便秘については,単に症候論だけでなく,その診断,治療に関する項目を設けていただきたいと思う.
掲載誌情報