文献詳細
文献概要
増刊号 プライマリ・ケアでおさえておきたい—重要薬・頻用薬
薬の飲み方・使い方
著者: 伊藤澄信1
所属機関: 1国立病院機構本部
ページ範囲:P.24 - P.27
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内服薬の用法(表1)
食後に服用する場合
薬の用法についてはわかっているようで,理解されていないことも多い.たとえば「食後」と書いてあるのは食後30分くらいを目処に服用することであるが,通常は食直後に服用しても問題はない.食事をすると胃内容の排出が遅くなるので一般的には薬の吸収が遅くなるため薬物濃度のピークは低くかつピークに達するまでの時間が遅くなるが,吸収量には違いがない.ただし,一部の脂溶性の薬剤では食事中の脂質や胆汁中の胆汁酸が出ている食直後のほうが吸収がよい.イトラコナゾール(イトリゾール®)は空腹時に服用すると,最高血中濃度は食直後に服用するのに比べて40%しか上昇しないことも知られている.逆に,ビスホスホネートはもともと吸収率が低いが,食事と一緒では吸収率はさらに低くなる.また,糖尿病薬の食後の過血糖を抑制するためにインスリンの分泌を刺激するグリニド系薬や血糖の吸収を抑えるαグルコシダーゼ阻害薬は効果が弱いため,食後投与では効果が期待できない.
内服薬の用法(表1)
食後に服用する場合
薬の用法についてはわかっているようで,理解されていないことも多い.たとえば「食後」と書いてあるのは食後30分くらいを目処に服用することであるが,通常は食直後に服用しても問題はない.食事をすると胃内容の排出が遅くなるので一般的には薬の吸収が遅くなるため薬物濃度のピークは低くかつピークに達するまでの時間が遅くなるが,吸収量には違いがない.ただし,一部の脂溶性の薬剤では食事中の脂質や胆汁中の胆汁酸が出ている食直後のほうが吸収がよい.イトラコナゾール(イトリゾール®)は空腹時に服用すると,最高血中濃度は食直後に服用するのに比べて40%しか上昇しないことも知られている.逆に,ビスホスホネートはもともと吸収率が低いが,食事と一緒では吸収率はさらに低くなる.また,糖尿病薬の食後の過血糖を抑制するためにインスリンの分泌を刺激するグリニド系薬や血糖の吸収を抑えるαグルコシダーゼ阻害薬は効果が弱いため,食後投与では効果が期待できない.
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