文献詳細
文献概要
特集 ここさえ分かれば—輸液・水・電解質 代謝性酸塩基平衡
代謝性アルカローシス
著者: 安田隆12
所属機関: 1吉祥寺あさひ病院 2東京医科大学腎臓内科学分野
ページ範囲:P.992 - P.996
文献購入ページに移動Point
◎代謝性アルカローシスは頻度の高い病態で,特に利尿薬使用時や胃液喪失時に多い.
◎代謝性アルカローシスでは,細胞外液中の「HCO3−増加=H+低下(pH上昇)=Cl−の低下」と考えればよい.
◎代謝性アルカローシスの合併が疑われる症状とともに,低K血症や血清(Na−Cl)≫36の際には血液ガス分析検査を行う.
◎細胞外液量減少による代謝性アルカローシスでは,NaClやKClによりCl−を投与してCl欠乏を補正する.
◎血圧上昇を伴う代謝性アルカローシスでは,血漿レニン活性と血漿アルドステロン濃度の測定が鑑別に有用である.
◎代謝性アルカローシスは頻度の高い病態で,特に利尿薬使用時や胃液喪失時に多い.
◎代謝性アルカローシスでは,細胞外液中の「HCO3−増加=H+低下(pH上昇)=Cl−の低下」と考えればよい.
◎代謝性アルカローシスの合併が疑われる症状とともに,低K血症や血清(Na−Cl)≫36の際には血液ガス分析検査を行う.
◎細胞外液量減少による代謝性アルカローシスでは,NaClやKClによりCl−を投与してCl欠乏を補正する.
◎血圧上昇を伴う代謝性アルカローシスでは,血漿レニン活性と血漿アルドステロン濃度の測定が鑑別に有用である.
参考文献
1)Hodgkin JE, et al:Incidence of metabolic alkalemia in hospitalized patients. Crit Care Med 8:725-728, 1980
2)Luke RG, Galla JH:It is chloride depletion alkalosis, not contraction alkalosis. J Am Soc Nephrol 23:204-207, 2012
3)Faisy C, et al:Effect of acetazolamide vs placebo on duration of invasive mechanical ventilation among patients with chronic obstructive pulmonary disease;A randomized clinical trial. JAMA 315:480-488, 2016
4)Ryuge A, et al:Hyponatremic chloride-depletion metabolic alkalosis successfully treated with high cation-gap amino acid. Intern Med 55:1765-1767, 2016
掲載誌情報