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文献詳細

雑誌文献

medicina55巻7号

2018年06月発行

文献概要

特集 ここさえ分かれば—輸液・水・電解質 特殊な状況(各論)

熱中症の電解質異常と輸液療法

著者: 三宅康史1

所属機関: 1帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター

ページ範囲:P.1070 - P.1076

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Point
◎熱中症は,軽症からⅠ度(現場対応可能),Ⅱ度(医療機関搬送),Ⅲ度(入院適応)に分類される.
◎熱中症の病態は,「臓器の高体温」と「脱水(+電解質喪失)に伴う臓器虚血」が本質であり,冷却と輸液が効果的である.
◎若年者のスポーツ中・後,高齢者の日常生活で,水分の補給不足による高Na血症(+脱水)を生じる可能性がある.
◎壮年者のスポーツ中・後,肉体労働中では相対的な水補給の過剰による低Na血症(相対的な水過剰)が生じることがある(exercise associated hypoNa).
◎高齢者の日常生活で,食事が摂れず水の補給のみの場合も低Na血症(+脱水)に陥る.

参考文献

1)日本救急医学会熱中症に関する委員会:熱中症診療ガイドライン2015,日本救急医学会,2015 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/heatstroke2015.pdf(2018年3月閲覧)
2)三宅康史:厚生労働省提供のレセプトデータ2012-2016熱中症症例からの解析(公開予定)
3)三宅康史,他:レセプトデータを用いた最近5年の熱中症患者の推移(2010〜2014年).日医師会誌144:527-532, 2015
4)日本救急医学会熱中症に関する委員会:Heatstroke STUDY2017からの解析結果(公開予定)
5)日本救急医学会熱中症に関する委員会:熱中症の実態調査─日本救急医学会Heatstroke STUDY2012最終報告.日救急医会誌25:846-862, 2014
6)神田 潤,他:熱中症の血中ナトリウム濃度と熱中重症度・筋症状の関連について.日救急医会関東誌31:132-133, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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