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増刊号 一人でも慌てない!—「こんなときどうする?」の処方箋85 どうする? 神経
49 入院後せん妄に……
著者: 小川朝生1
所属機関: 1国立がん研究センター東病院精神腫瘍科
ページ範囲:P.267 - P.271
文献購入ページに移動86歳女性.
●高血圧にて外来通院中.独居で自立した生活を送っており,外来では認知症を疑うような様子はなかった.
●1週間ほど前から咳嗽とともに38.0℃の発熱,倦怠感,食欲不振が出現した.
●感冒と思って様子をみていたが,改善が乏しいため外来を受診.肺炎の疑いで治療目的に入院した.
●既往:高血圧,脳梗塞.
●入院した夕方に,病棟スタッフが抗菌薬の点滴指示を実施しようとしたところ,「何をするんだ」と怒り出した.きょろきょろと落ち着かず,会話をしようとしても,すぐに目線が外れ,あらぬ方向を見ている.落ち着かないため,不穏時のエチゾラム(デパス®)を使っても改善せず,ますますひどくなった.「ここはどこ?」と確認するが,「家……あなたはどうして勝手に家に上がってくるの!すぐに出て行って!」と興奮する.
●病棟スタッフより,「指示が実施できない」「このまま拘束するか?」と連絡がきた.
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