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文献詳細

雑誌文献

medicina56巻4号

2019年04月発行

文献概要

増刊号 一人でも慌てない!—「こんなときどうする?」の処方箋85 どうする? 神経

49 入院後せん妄に……

著者: 小川朝生1

所属機関: 1国立がん研究センター東病院精神腫瘍科

ページ範囲:P.267 - P.271

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症例呈示
86歳女性.
●高血圧にて外来通院中.独居で自立した生活を送っており,外来では認知症を疑うような様子はなかった.
●1週間ほど前から咳嗽とともに38.0℃の発熱,倦怠感,食欲不振が出現した.
●感冒と思って様子をみていたが,改善が乏しいため外来を受診.肺炎の疑いで治療目的に入院した.
●既往:高血圧,脳梗塞.
●入院した夕方に,病棟スタッフが抗菌薬の点滴指示を実施しようとしたところ,「何をするんだ」と怒り出した.きょろきょろと落ち着かず,会話をしようとしても,すぐに目線が外れ,あらぬ方向を見ている.落ち着かないため,不穏時のエチゾラム(デパス®)を使っても改善せず,ますますひどくなった.「ここはどこ?」と確認するが,「家……あなたはどうして勝手に家に上がってくるの!すぐに出て行って!」と興奮する.
●病棟スタッフより,「指示が実施できない」「このまま拘束するか?」と連絡がきた.

参考文献

1)日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野 裕(監訳):DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル,医学書院,2014
2)Inouye SK, et al:Clarifying confusion;The confusion assessment method. A new method for detection of delirium. Ann Intern Med 113:941-948, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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