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文献詳細

雑誌文献

medicina56巻5号

2019年04月発行

文献概要

特集 しまった!日常診療のリアルから学ぶ—エラー症例問題集 症例問題

Question42 倒れた後から息が切れる……

著者: 書上奏1 近藤誠2

所属機関: 1利根中央病院総合診療科 2利根中央病院循環器内科

ページ範囲:P.689 - P.690

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症例 76歳女性.  主訴 一過性意識消失,呼吸困難.
現病歴 3年前から繰り返すめまいのため,当院通院中.2年前に外出先で意識消失し,失神として他院に救急搬送された.その後,当院で心電図・頭部CT・MRI・脳波検査を施行したが,失神の原因は不明であった.5カ月前から労作時の息切れ,3カ月前から食欲不振,体重減少が出現.2日前の朝,起床後に数m歩いたところで段々足が重くなり意識消失した.数分で意識は回復したが,同時期から安静時の呼吸困難が出現し徐々に増悪傾向となり,日常生活に支障をきたすようになったため,初診外来を受診した.Holter心電図や脳波検査を施行し,11日後に再診したが,呼吸困難は改善せず,SpO2低下もあり精査加療目的に同日入院となった.review of system(ROS)(+):労作時の息切れ,失禁(意識消失時),体重減少(3カ月で3kg減少),食欲不振,倦怠感.ROS(−):胸痛,動悸,喘鳴,腹痛,悪心・嘔吐,下痢,便秘,不眠.

参考文献

1)Nakamura M, et al:Clinical characteristics of acute pulmonary thromboembolism in Japan;Results of a multicenter registry in the Japanese Society of Pulmonary Embolism Research. Clin Cardiol 24:132-138, 2001
2)Prandoni P, et al:Prevalence of pulmonary embolism among patients hospitalized for syncope. N Engl J Med 375:1524-1531, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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