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文献詳細

雑誌文献

medicina56巻6号

2019年05月発行

書評

—加藤士郎 編集—臨床力をアップする漢方—西洋医学と東洋医学のW専門医が指南! フリーアクセス

著者: 小林祥泰1

所属機関: 1島根大学医学部

ページ範囲:P.811 - P.811

文献概要

 この本の大きな特徴は,西洋医学と東洋医学ともに実績あるW専門医が執筆していることである.東洋医学を教わっていない医師には,陰陽五行説に拘り過ぎず,科学的かつわかりやすく専門に応じた手引き書が必要である.この点でW専門医が漢方処方のコツをまず有害事象の科学的機序の解説,近年解明されてきた五苓散のアクアポリンを介した作用機序と臨床応用など,また,フレイルや誤嚥性肺炎予防に補中益気湯,半夏厚朴湯といった未病対策から説明しているのは受け入れやすい.
 「漢方臨床総論」では,総合内科での有用性,高齢者のポリファーマシー対策とQOL改善,感染症での限界とともに西洋薬が効きにくい感冒後長引く咳に竹筎温胆湯などの有用性を教えている.また,一般に漢方が使われない救急医学でも,西洋医学では障害因子を抑制,東洋医学は防御反応を促進することから,漢方薬吸収動態を考慮した含有生薬数の少ない漢方薬の短期集中投与や注腸投与など現場体験に基づいた治療法が述べられ,臨床に役立つ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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