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特集 抗菌薬をアップデートせよ!—耐性菌に立ち向かう! 適正化の手法から新薬の使い分けまで 新薬の情報を正しくアップデートせよ! 新しい抗微生物薬とその使い分け
新しい抗MRSA薬:テジゾリドの特徴とその使い分け(MRSA治療を中心に)
著者: 大澤良介1
所属機関: 1亀田総合病院感染症科
ページ範囲:P.1122 - P.1124
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◎テジゾリドは,グラム陽性菌に対して広く抗菌活性を示し,皮膚軟部組織感染症に有効なオキサゾリジノン系抗菌薬である.
◎テジゾリドはリネゾリドに比べて,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)との併用によるセロトニン症候群が起きる可能性がほぼないこと,また1日1回の内服で済むことが利点であるが,長期使用の安全性に関するデータに乏しい.
◎テジゾリドの適応症であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による皮膚軟部組織感染症では,経口のテジゾリドの代わりに,安価で昔から使われている経口抗菌薬であるクリンダマイシン,ST合剤,ドキシサイクリンやミノサイクリンを優先して使うべきである.
◎テジゾリドは,グラム陽性菌に対して広く抗菌活性を示し,皮膚軟部組織感染症に有効なオキサゾリジノン系抗菌薬である.
◎テジゾリドはリネゾリドに比べて,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)との併用によるセロトニン症候群が起きる可能性がほぼないこと,また1日1回の内服で済むことが利点であるが,長期使用の安全性に関するデータに乏しい.
◎テジゾリドの適応症であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による皮膚軟部組織感染症では,経口のテジゾリドの代わりに,安価で昔から使われている経口抗菌薬であるクリンダマイシン,ST合剤,ドキシサイクリンやミノサイクリンを優先して使うべきである.
参考文献
1)Burdette SD, Trotman R:Tedizolid:The first once-daily oxazolidinone class antibiotic. Clin Infect Dis 61:1315-1321, 2015
2)Prokocimer P, et al:Tedizolid phosphate vs linezolid for treatment of acute bacterial skin and skin structure infections:The ESTABLISH-1 randomized trial. JAMA 309:559-569, 2013
3)Moran GJ, et al:Tedizolid for 6 days versus linezolid for 10 days for acute bacterial skin and skin-structure infections(ESTABLISH-2):A randomised, double-blind, phase 3, non-inferiority trial. Lancet Infect Dis 14:696-705, 2014
4)Shorr AF, et al:Analysis of the phase 3 ESTABLISH trials of tedizolid versus linezolid in acute bacterial skin and skin structure infections. Antimicrob Agents Chemother 59:864-871, 2015
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