medicina56巻8号

2019年07月発行

連載 見て，読んで，実践！　神経ビジュアル診察・15

しびれの臨床—触っても感じない！？ 皮質性感覚障害

著者： 難波雄亮¹²

所属機関： ¹安房地域医療センター総合診療科 ²沖縄県立中部病院総合内科

ページ範囲：P.1173 - P.1177

文献概要

　これまでに触覚・痛覚・振動覚と，表在から体の深部にかけての感覚障害について勉強してきました．日常生活では色々な皮膚表面からの刺激が末梢神経から中枢に向けて伝達されます．この刺激が頭頂葉で知覚されることで，私達は痛い・冷たいだけでなく，物品などがどのような形をしているか把握できます．この刺激内容を識別していく感覚を「皮質性感覚」と言います．ではどのように調べるのでしょうか？ 実際の臨床でも大変役立つ内容です．一緒に勉強していきましょう！
　
＊本論文中、関連する動画を見ることができます（公開期間：2021年5月31日まで公開）。

参考文献

1）Corkin S, et al：Somatosensory thresholds—contrasting effects of postcentral-gyrus and posterior parietal-lobe excisions. Arch Neurol 23：41-58, 1970

2）Bender MB, et al：Agraphesthesia. A disorder of directional cutaneous kinesthesia or a disorientation in cutaneous space. J Neurol Sci 53：531-555, 1982

3）平山恵造（編著）：カラーイラストで学ぶ 神経症候学．文光堂，2015

4）Roland PE：Astereognosis. Tactile discrimination after localized hemispheric lesions in man. Arch Neurol 33：543-550, 1976

5）Bassetti C, et al：Sensory syndromes in parietal stroke. Neurology 43：1942-1949, 1993