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文献詳細

雑誌文献

medicina56巻9号

2019年08月発行

文献概要

特集 みんなが知っておきたい透析診療—透析のキホンと患者の診かた 透析患者の診療

CKD-MBDの診かた,P吸着薬の使いかた

著者: 駒場大峰12

所属機関: 1東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科 2東海大学総合医学研究所

ページ範囲:P.1432 - P.1435

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Point
◎慢性腎臓病(CKD)患者では,高リン(P)血症,活性型ビタミンD低下,二次性副甲状腺機能亢進症を背景に,骨病変や血管石灰化をきたす.このような病態を“慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)”と呼ぶ.
◎透析でのP除去および食事でのP制限のみで高P血症を管理することは難しい.そのため,多くの症例でP吸着薬が必要となる.
◎P吸着薬は,薬剤の選択・用量調節に加え,患者の内服コンプライアンスも重要である.タイミングや飲み方を含めた患者指導を適切に行う.
◎二次性副甲状腺機能亢進症の治療は,活性型ビタミンD製剤とカルシウム(Ca)受容体作動薬が中心となる.ともに副甲状腺ホルモン(PTH)値を低下させるが,血清Ca・P値に及ぼす影響が異なる.
◎透析患者が合併症のため入院となった場合,P摂取の低下や長期臥床による脱灰により,それまでは安定していたCKD-MBDの病態が変化することがある.

参考文献

1)Kidney Disease;Improving Global Outcomes(KDIGO) CKD-MBD Work Group:KDIGO clinical practice guideline for the diagnosis, evaluation, prevention, and treatment of chronic kidney disease-mineral and bone disorder(CKD-MBD). Kidney Int Suppl 113:S1-130, 2009
2)日本透析医学会:慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン.透析会誌45:301-356, 2012
3)Jamal SA, et al:Effect of calcium-based versus non-calcium-based phosphate binders on mortality in patients with chronic kidney disease;An updated systematic review and meta-analysis. Lancet 382:1268-1277, 2013
4)EVOLVE Trial Investigators:Effect of cinacalcet on cardiovascular disease in patients undergoing dialysis. N Engl J Med 367:2482-2494, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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