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雑誌目次

雑誌文献

medicina57巻11号

2020年10月発行

雑誌目次

特集 皮疹はこう見る,こう表現する

著者: 常深祐一郎

ページ範囲:P.1809 - P.1809

 皮膚病変は難しい,皮疹をどう見たらよいかわからない,という声をよく耳にする.もちろん簡単ではないことは皮膚科医である筆者も認めるところであるが,少しでもわかりやすくする方法はないか,というのが本特集の目的である.
 皮疹を難しいと感じる原因の1つは,皮疹を皮膚病変全体として見てしまっているからではないだろうか.皮膚病変は各発疹の集合体である.皮膚病変を個々の発疹という構成要素に分解して考えれば,もう少し見えやすくなるのではないだろうか.例えば,誰でも知っている湿疹という病名がある.しかし,アトラスでたくさん湿疹の写真を見たとしても,実際の皮膚病変が湿疹かどうか判断するのは難しいと思われる.湿疹とは,表皮を反応の場とした炎症反応で,組織学的には海綿状態を特徴としており,真皮や表皮内へリンパ球が浸潤するものである.それを反映して,肉眼的には紅斑や,丘疹,小水疱,鱗屑,痂皮といった要素が混在して多様性があり,時間的にも変化する.これを知っていると,アトラスを見る際にも,「確かに湿疹では紅斑があって,丘疹や小水疱が混在しているな」とか「蕁麻疹は,紅斑はあるけど丘疹も小水疱もなく,湿疹とは違うな」というように見る力を付けることができる.このように成り立ちを知り,分解して見ることにより,皮膚病変を見る目は変わるはずである.

この発疹が見られる主な疾患

ページ範囲:P.1810 - P.1811

この疾患で見られる主な発疹

ページ範囲:P.1812 - P.1813

皮膚病変の捉えかた

皮膚病変はこう捉える—そしてこう表現する

著者: 常深祐一郎

ページ範囲:P.1814 - P.1816

皮疹を記載する意義
 皮膚病変を他人に伝えるため,自分で後日見た際に思い出せるようにするために皮疹を記載する.もちろん診療録として公式に記録を残すという意味もある.
 皮疹を記載する際には,できるだけ修飾語をたくさんつけて詳細に表現する.記載を見ればその皮疹の絵が描けるくらいの情報量を目指す.各発疹については,次章「基本の発疹を理解する」で解説されているので,ここでは修飾語について述べる.記録なら写真のほうが情報量は多いと思われるかもしれない.確かに単純な記録という意味なら,写真のほうが優れているであろう.しかし,写真だけ撮って満足していても,意外と皮疹を見ていないものである.皮疹をきちんと見ていないと正しい判断はできない.たくさん修飾語をつけて記載しようと思えば,それだけの情報を拾い上げようとするので,自ずと皮疹を入念に観察することになる.つまり詳細に記載しようとすることが丁寧な診察につながり,ひいては,正確な診断に結びつくわけである.皮膚病変の記載は,記録という意味もあるが,情報を抽出するという意味がもっと大きいのである.もう少し言えば,写真を撮ることは誰でもできるが,皮疹の観察の仕方をよく理解している人が撮った写真と,普段の写真と同じように深く考えずに撮った写真では,そこに含まれる皮膚科学的情報量には大きな差がある.後者では,全体像を見たいのに全体像がない,詳細に見たいのに接写像がない,一番みたいものにピントが合っていない,盛り上がった皮疹を横方向から取っていないので立体感がない,健側を撮っていないので比較ができない,などといった事態が起きる.結局,皮疹の見方を理解していないとたとえ写真を撮ってもやはり不十分な結果となってしまうわけである.

基本の発疹を理解する

紅斑

著者: 梅林芳弘

ページ範囲:P.1818 - P.1820

▶定義
 皮膚面と同高で平坦な発疹を斑(macule,patch)と称する.斑の変化は色調の変化のみであるが,圧迫により色調が消褪する斑を紅斑(erythema)という(図1).
 「圧迫により消褪」に加え「炎症性・可逆性」という属性を条件にすることがある1).その場合,後者を満たさない,即ち「非炎症性・不可逆性」の血管拡張による斑状病変は,「毛細血管拡張(telangiectasia)」1)(あるいは「非炎症性紅斑」2))として区別される.

紫斑

著者: 小寺雅也

ページ範囲:P.1821 - P.1823

▶発疹の定義
 紫斑とは,皮内・皮下・粘膜下の血管外の組織に赤血球が漏出したときに見られる皮疹である.皮疹の大きさが直径3mm未満を点状紫斑,2cmまでを斑状紫斑,それ以上を溢血斑と表現し,浸潤(皮膚表面より内部にしこりとして触れることを浸潤と表現し,真皮以下の炎症細胞浸潤や浮腫を反映する)を触れる場合は触知性紫斑という.

白斑,色素斑

著者: 種村篤

ページ範囲:P.1824 - P.1825

白斑
▶発疹の定義と成り立ち
 白斑とは色が白く抜ける病変を指す.これはメラニン色素の残存の有無が影響し,メラニンが原則消失もしくは極端に減少している.完全脱色素斑と不完全脱色素斑に大別される.

丘疹,結節,腫瘤

著者: 福田桂太郎

ページ範囲:P.1826 - P.1827

丘疹(papule)
▶発疹の定義
 直径10mm以下の皮膚隆起であり,半球状,円錐状,扁平などの形態をとる.頂点に小水疱を有する丘疹を漿液性丘疹,水庖を伴わない丘疹を充実性丘疹と呼ぶ.尋常性痤瘡のように毛包の炎症により生じた丘疹では,毛孔の位置と丘疹の頂点が一致するため,毛孔一致性丘疹と呼ぶ1)

水疱,疱疹

著者: 白濱茂穂

ページ範囲:P.1828 - P.1830

水疱
▶発疹の定義
 直径5mm以上のものを水疱,これ以下のものを小水疱という.内容物の成分は血漿成分が主体である.被膜が厚く張りのあるものを緊満性水疱と言う.被膜に張りがないものは弛緩性水疱と呼ばれ,破れやすい.手掌足底は角層が厚いため,生じた水疱は隆起することが少なく,小さな水滴として見えることがある(汗疱状).

膿疱

著者: 遠藤幸紀

ページ範囲:P.1832 - P.1833

▶発疹の定義
 膿疱とは,表皮内に形成された水疱の内容が膿性で,肉眼的にも膿が透見できる程度に貯留した状態をいう1).真皮および皮下組織における膿瘍とは区別される.

膿瘍

著者: 竹腰知紀

ページ範囲:P.1834 - P.1835

▶発疹の定義
 膿瘍とは,主に細菌感染によって引き起こされる化膿性炎症により,限局性に組織が融解壊死したことで形成した間隙に膿が貯留した状態を指す1).皮膚の膿瘍では炎症を反映して局所の表面に発赤,腫脹,熱感,圧痛,疼痛を認めることが多い.膿汁の貯留が顕著になると,表面を押したり離したりすることで内部の液体が波打つように触れるようになる(「波動を触れる」と記載される).
 特殊な膿瘍の形態としては,冷膿瘍がある.肺やリンパ節などの結核病変が連続性に皮膚に波及することで形成されるもので,当初は淡紅色で無痛性の皮下結節であったものが数カ月で軟化し,皮膚に瘻孔を形成して排膿する.この際に発赤や熱感などの急性炎症症状を伴わないことが名前の由来となっている2)

囊腫

著者: 石塚洋典

ページ範囲:P.1836 - P.1837

▶定義
 囊腫(cyst)とは,液体あるいは半固形物を含む,上皮によって裏打ちされた腔状あるいは胞状の貯留性病変である.
 偽囊腫(pseudocyst)は同じく貯留性病変だが,内腔を裏打ちする上皮を伴わない.例として,粘液囊腫やガングリオンなどがある.

膨疹

著者: 千貫祐子

ページ範囲:P.1838 - P.1839

▶発疹の定義1)
 真皮の一過性,限局性の浮腫を膨疹という.出没を繰り返すことはあるが,個々の発疹は通常24時間以内に跡形もなく消退する.

鱗屑

著者: 出光俊郎 ,   梅本尚可

ページ範囲:P.1840 - P.1842

▶発疹の定義
 鱗屑(scale)は炎症(角化亢進)や角化異常(角化遅延)により,皮膚の最外層にある角質が白く見えるもので,鱗屑が皮膚から剝離,脱落することを落屑(desquamation)という1).滲出液や血液を混じるものを鱗屑痂皮という.実際の臨床では続発疹のみが目立つことも少なくない.鱗屑から本来の特徴的な発疹を推定して診断できることもあり,皮膚疾患の診断に原発疹を頭の中で復元する想像力が試される.筆者は鱗屑から診断を進めて行く手法を重視し,皮膚科診断学アナザーストーリーとしてその重要性を提唱している2)

痂皮

著者: 宮垣朝光

ページ範囲:P.1844 - P.1845

▶定義
 痂皮とは,血液成分,滲出液,膿などと角質あるいは壊死組織が皮膚の表面に固着した状態を指し,びらんや潰瘍の治癒過程や滲出を伴う紅斑などに伴う続発疹である.血液成分が主となり,凝固したものを血痂(いわゆる「かさぶた」)と呼ぶ.また,主体になる成分や創の治癒段階によって色調が変化し,黄色痂皮や黒色痂皮などのように色調を修飾語として用いることがある.

びらん,潰瘍,亀裂

著者: 石氏陽三

ページ範囲:P.1846 - P.1848

▶発疹の定義
 外傷,搔破などによって表皮の一部が損傷した状態を表皮剝離というが,組織欠損が表皮基底層までの表皮に限局した組織欠損をびらんという.びらんより深く,真皮または皮下脂肪織にまで達する組織欠損を潰瘍という.また,表皮深層から真皮に至る線状の細い裂隙を亀裂という1)(図1).

苔癬

著者: 鑑慎司

ページ範囲:P.1850 - P.1851

▶定義
 大きさがほぼ同様な小丘疹が多数密集した状態,あるいは播種状に散在した状態.皮疹の性状が変化しないのが特徴である.

苔癬化

著者: 益田浩司

ページ範囲:P.1852 - P.1853

▶発疹の定義
 皮膚が肥厚して硬くなった状態で,はっきりとわかる皮溝と皮丘が見られる.通常,皮膚を慢性的に搔いたりこすったりすることで形成される.

紅皮症

著者: 加藤雪彦

ページ範囲:P.1854 - P.1856

▶定義
 紅皮症とは単一の疾患ではなく,全身の皮膚が潮紅と落屑を呈する症候である.体表面積の90%以上に紅斑を認め,剝脱性皮膚炎とも言う.皮膚では通常瘙痒を伴い,爪の変形や脱落や毛髪の脱毛を生じる場合がある.皮膚症状のほか,悪寒,発熱,脱水,全身倦怠感,表在リンパ節の腫脹を伴うことが多い.発症率は,オランダでは10万人あたり1〜2人とされている1)

局面

著者: 渡辺玲

ページ範囲:P.1858 - P.1859

▶発疹の定義
 局面とは,ある程度の大きさがあり,皮膚健常部より扁平に隆起する,浸潤を触れるなど,触知できる病変を指す.大きさの定義はさまざまだが,小局面という用語を直径0.5〜2cm程度の皮疹に用いることもあり,おおよそ2cm以上の皮疹が局面に該当すると考えてよいだろう.

面皰

著者: 小林美和

ページ範囲:P.1860 - P.1861

▶発疹の定義
 面皰(めんぽう)とは,毛包漏斗部に角栓が貯留し毛孔を閉塞している状態のものをいう.面皰には毛孔が開大して黒色に見える開放面皰(または黒色面皰)と,常色の閉鎖面皰(白色面皰)がある(図1).尋常性痤瘡の初発疹であり,ごく初期の変化として肉眼では確認できない微小面皰も組織学的に確認される1)

よく見る皮膚疾患を発疹レベルで理解する 〈皮膚炎・蕁麻疹など〉

アトピー性皮膚炎

著者: 伊藤友章

ページ範囲:P.1862 - P.1864

 アトピー性皮膚炎は気管支喘息,アレルギー鼻炎と同様に患者数の多い疾患である.日常診療の問診時に,「アトピー性皮膚炎で現在治療中」「小児期に治療歴あり」と患者から聴取することがある.本稿では,皮膚科医以外の医師がアトピー性皮膚炎と診断ができるように解説し,またおさえておきたい合併症について紹介する.

接触皮膚炎

著者: 矢上晶子

ページ範囲:P.1866 - P.1867

▶疾患の概要
 接触皮膚炎とは,原因となる物質が皮膚に接触することによって発症する湿疹性の炎症反応を指す.刺激性とアレルギー性に分類され,前者は一時的な反応だが,後者は一度アレルギーを獲得すると,原因物質に接触するたびに湿疹が繰り返される.

脂漏性皮膚炎

著者: 石崎純子

ページ範囲:P.1868 - P.1869

▶疾患の概要
 脂漏性皮膚炎は,顔面,頭皮に落屑性紅斑を呈する日常よく見る慢性皮膚疾患である.脂腺毛包が病変の主座であり,いわゆる皮膚の質(たち)と病気の線引きが難しい点もある.発症には脂漏部位の皮脂と,常在真菌のマラセチア菌が関与する.HIV感染症では本菌の増生による発症,増悪が知られる.
 年齢からは,新生児ないし乳児に生じる乳児脂漏性皮膚炎と,思春期以降に生じる成人脂漏性皮膚炎に分類される1)

皮脂欠乏性湿疹

著者: 乃村俊史

ページ範囲:P.1870 - P.1871

▶疾患の概要
 皮脂欠乏性湿疹は,皮膚が乾燥し,痒みや落屑,亀裂(ひび割れ)を生じる疾患である.本症は,欧米では“asteatotic dermatitis”または“eczema craquelé(eczemaは湿疹,craqueléはひび割れの意)”と呼ばれることから,乾燥によるひび割れが臨床的特徴であることが容易に理解できる.高齢者に好発するが,ほぼすべての年齢層に見られ,その有病率は高い.症状は,寒く乾燥した冬季に悪化し,暑く湿度の高い夏季に軽快することが多い.
 本疾患の発症には,加齢による皮脂腺や汗腺,表皮の機能低下に加え,環境因子が大きく関与し,湿度・気温の低下や,不適切な入浴習慣(頻回の入浴,ナイロンタオルなどによる過度の摩擦)などが原因となりうる.薬剤(抗癌剤や利尿薬,抗アンドロゲン薬など)や甲状腺機能低下症,放射線照射,知覚低下も本症の発症因子として知られている.また,遺伝素因も重要であり,その代表例はフィラグリン遺伝子変異である.筆者らは日本人の一般人口の約10%がフィラグリン遺伝子に機能喪失変異(ナンセンス変異またはフレームシフト変異)をヘテロ接合性に保有することを明らかにしてきた1,2).フィラグリンは,皮膚バリア機能の主な担い手である角層の形成に重要な働きをするほか,その分解産物は保水性に富む分子(これらの分子は“天然保湿因子”と呼ばれる)として機能するため,フィラグリン遺伝子にヘテロ接合性の機能喪失変異が存在すると,フィラグリンの産生量が正常の50%に低下し,潜在的に尋常性魚鱗癬と呼ばれる遺伝性の皮脂欠乏症を発症しやすくなる.いわゆる“乾燥肌”を見ても遺伝素因を想起しづらいかもしれないが,日本人の1000万人以上がフィラグリン遺伝子変異を持つと推定されるので,同変異は決して無視することのできない,本症の重要な発症因子である.

異汗性湿疹

著者: 高山かおる

ページ範囲:P.1872 - P.1873

▶疾患の概要
 異汗性湿疹は痒みや痛痒さを伴う手掌・足蹠を主体とする湿疹病変である.初期症状は小水疱ではじまることが多く,汗疱と呼ばれる.発汗で増悪することが多く,なんらかの汗にかかわる発疹であると考えられている.
 発生機序として,汗の出る汗管の出口の異常1)や汗に含まれる体内から排泄される金属に対するアレルギーであること2)などが言われている.全身型金属アレルギーの場合には全身の広い範囲に皮膚症状があり,特徴的所見として手足に異汗性湿疹を伴うことがある2).また,免疫グロブリンの大量療法を受けた後に異汗性湿疹が生じた症例が報告されている3)

結節性痒疹

著者: 佐藤貴浩

ページ範囲:P.1874 - P.1875

▶疾患の概要
〈痒疹とは〉
 痒疹の皮膚病変の基本は丘疹である.なかでも本症にみる丘疹は痒疹丘疹と表現される.痒いのが大原則であり,湿疹丘疹と異なって小膿疱や鱗屑,また集簇して湿潤病変を形成したり苔癬化病変となったりすることはない.一方で,漿液性丘疹または中央に小水疱を形成することはあり,そのため搔破によって頂部にびらんや痂皮を形成する.

蕁麻疹

著者: 葉山惟大

ページ範囲:P.1876 - P.1877

▶疾患の概要
 蕁麻疹は瘙痒を伴った一過性の紅斑と膨疹が出没を繰り返す,日常診療で最もよく遭遇する皮膚疾患の1つである1).本邦では5人に1人が蕁麻疹の既往を有し,そのうちの数%の患者において6週間以上症状が継続する慢性蕁麻疹へと移行する2).蕁麻疹には多くの病型,病態があり,本邦のガイドラインでは16種類に分類している.病型の確定と原因の検索は治療に直接つながるが,検査の意義は病型により異なる.全体の7割を占める特発性蕁麻疹の場合は種々の因子が関与するため,他の病型を除外することが重要である1)

多形滲出性紅斑

著者: 渡辺秀晃

ページ範囲:P.1878 - P.1880

▶疾患の概要
 滲出性の紅斑性皮疹に丘疹や環状紅斑・小水疱・水疱などの「多形性」があり,また新旧の皮疹が混在し「多形」を呈する.個々の皮疹が遠心性に拡大し次第に標的状(target lesion)となる.現在では単に多形紅斑と呼ばれることも多い.粘膜疹を伴わず比較的軽症なタイプと粘膜疹を伴う比較的重症なタイプに分けられる1)
 病因には単純疱疹ウイルス,EBウイルス,サイトメガロウイルス,Mycoplasma pneumoniae,細菌,薬剤などが挙げられる.感作能のある薬剤・物質の外用・接触後に本症を生じることがある.しかしながら50%近くの症例では原因を同定できていないとされる1)

結節性紅斑

著者: 遠藤雄一郎

ページ範囲:P.1882 - P.1883

▶疾患の概要
 結節性紅斑は,皮下脂肪織を炎症の場とする炎症性の皮膚疾患である.1〜2週間前後で軽快する急性型と,月単位で遷延する慢性型とがある.背景疾患が存在することがある.
 本邦における結節性紅斑の好発年齢は20〜40代で女性に好発する1)

〈血管・血流障害〉

IgA血管炎(Henoch-Schönlein紫斑病)

著者: 池田高治

ページ範囲:P.1884 - P.1885

▶疾患の概要
定義 本疾患は1806年Heberdenが最初に報告し,のちにSchönleinが関節痛との関連性を,またHenochが消化器症状と腎障害の合併を報告したことで疾患概念が確立し,Henoch-Schönlein紫斑病と呼称されていた1).真皮小血管や腎糸球体にIgAや補体が沈着し,患者血中にIgA抗体の免疫複合体が存在することが証明され,原発性血管炎の名称と定義についての合意形成を目的としたChapel Hill Consensus Conferenceにおいて1994年に公表されたChapel Hill分類(CHCC1994)でその定義が示された2).2012年の改定Chapel Hill分類(CHCC2012)ではeponymが排除されたために,IgA血管炎へ名称変更された3).この分類では,“IgA1抗体優位の免疫複合体の沈着を伴い,小血管特に毛細血管,細静脈,細動脈に及ぶ血管炎で,もっぱら皮膚や消化管を侵し関節炎を生じ,IgA腎症と区別をつけがたい糸球体腎炎を生じることがある”とされ3),免疫複合体性小型血管炎に分類された.IgA血管炎による腎障害は紫斑病性腎炎と呼称されている.
疫学 IgA血管炎は上気道感染が先行することが多く,それを反映してか秋から冬に多い.小児に多く4〜7歳がピークであり,男女比は1.2〜1.8とされる.発症率は小児で10万人につき約20人,成人で約1〜2人である.

慢性色素性紫斑

著者: 川上民裕

ページ範囲:P.1886 - P.1887

▶疾患の概要
 ほとんどは下肢でしかも両側性である.点状の紫斑から形成されたさまざまな続発疹で特徴づけされている.慢性に経過し,紫斑は出没するので,色素沈着が混在していることが多い.
 紫斑であるが,血小板や凝固系などの血液検査で異常は認められない.全身性症状はない.皮膚生検での病理組織検査で,壊死性血管炎像・白血球破砕性血管炎像がなく,真皮上層の毛細血管周囲性にリンパ球を中心とした炎症細胞浸潤があり,赤血球が漏出している.慢性の経過からヘモジデリンの沈着を見る.

凍瘡

著者: 壽順久

ページ範囲:P.1888 - P.1889

▶疾患の概要
 いわゆる“しもやけ”である.気温5℃前後で,日内気温差が大きい時に生じやすい.寒冷曝露に対する末梢循環機能異常に基づく物理的皮膚血管障害と考えられているが,血管自体の形態的異常はない.繰り返す寒冷刺激により,小動静脈がうっ血し,紅斑,発赤,腫脹,時に水疱,びらん,潰瘍といった臨床像を呈する.瘙痒が主な症状であるが,時に疼痛を伴うこともある.温もることにより瘙痒は増強する.循環障害の起こりやすい,手指,足趾,耳朶,頰部などに好発し,幼児・学童,女性,高齢者に多い.しばしば両親に凍瘡の既往があり,遺伝的素因の関与が疑われる.

〈水疱症・膿疱症〉

水疱性類天疱瘡

著者: 山上淳

ページ範囲:P.1890 - P.1891

▶疾患の概要
 水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid;BP)は,全身の皮膚に水疱と紅斑を生じる自己免疫性水疱症である.国指定難病で,難病情報センターによると患者の約半数が75歳以上,80%以上が60歳以上と高齢者に多く見られる.口腔などの粘膜に水疱・びらんを生じることもある.原因は,表皮基底層の角化細胞と基底板との接着に重要なヘミデスモゾームを構成するBP180(17型コラーゲン)およびBP230に対するIgG型の自己抗体である.なぜ患者体内で自己抗体が産生されるようになるのかは,いまだ明らかにされていない.

掌蹠膿疱症

著者: 村上正基

ページ範囲:P.1892 - P.1893

▶疾患の概要
 掌蹠膿疱症の疾患概念・認識は,本邦と一部の欧米諸国においてやや異なる.本邦では1935年Andrews,により報告されたpustular bacterids of the hands and feetに基づき1),Leverの“pustulosis palmaris et plantaris(PPP)”の訳語として掌蹠膿疱症という病名が提案された2).対して欧米では,1930年にBarbarとIngramが,acrodermatitis continuaから独立した手掌限局型の膿疱性乾癬的な概念を提唱し,palmoplantar pustulosisと呼称した概念を取り入れる傾向にある3,4).両者の違いは,Andrewsが強調するところの「pustular bacterid」の考え方・捉え方の違いによると考えられるが,実際には「Barbarが意味するところの膿疱性乾癬」が,「Andrewsがpustular bacteridと提唱する病態」に非常に類似する皮膚症状を呈するため,次第に両者を意識的に区別することがなくなり,徐々に両者の概念が混同されて今日に至っている.ここで取り上げる掌蹠膿疱症は,Andrewsの提唱するPPPであり,膿疱形成を伴う手掌足底型乾癬とは異なるものという認識のもとに記述を進める.

〈炎症性角化症〉

乾癬

著者: 神谷浩二

ページ範囲:P.1894 - P.1895

▶疾患の概要
 乾癬は,病因は明らかではないが,遺伝的素因にさまざまな環境要因が加わって発症すると考えられている1).病態によって尋常性乾癬,滴状乾癬,乾癬性関節炎,乾癬性紅皮症,膿疱性乾癬の5型に分類される.約90%の患者は尋常性乾癬であり,銀白色の鱗屑を伴う境界明瞭な紅斑,丘疹が全身に多発する2,3).本稿では,尋常性乾癬で見られる発疹について概説する.

扁平苔癬

著者: 井川健

ページ範囲:P.1896 - P.1897

▶疾患の概要
 扁平苔癬は,慢性に経過する角化異常を伴う炎症性皮膚疾患の1つである.四肢,体幹に扁平隆起する紫紅色調の丘疹を形成し,慢性に経過する.口腔粘膜にも発症し,難治性びらんを形成することがある.また,脱毛,爪の萎縮,脱落などの臨床症状を呈するものもあり,日常生活,QOLに支障をきたす難治性皮膚疾患の1つと考えられる.口腔粘膜,爪,毛髪以外の好発部位として,手関節屈側,手背,下腿伸側,頸部,仙骨部,さらには陰茎〜亀頭部などが挙げられる.薬剤,金属アレルギーや肝炎ウイルス(C型肝炎)などの関与が報告されており,これらに対する検査,必要に応じて対策を行う.

〈膠原病および類似疾患〉

エリテマトーデス

著者: 神人正寿

ページ範囲:P.1898 - P.1899

▶疾患の概要
 エリテマトーデスの病因はいまだ不明であるが,多くの自己抗体の産生を主体とした免疫異常を背景にしていると考えられている.全身にさまざまな症状をきたすが,邦訳された病名の紅斑性狼瘡は「狼に噛まれた傷に似た紅斑」,という意味である.実際,多くの症例に皮疹が出現し,診断や病勢の評価に有用であるため真っ先に注目すべきである.
 しかし,エリテマトーデスの皮膚所見でわれわれを悩ませるのはその多様性であり,紅斑以外にもさまざまな皮疹が出現しうる.以下のように急性型,亜急性型,および慢性型に分類される.通常の治療に反応しない皮疹では必ず本症を鑑別に挙げ,血液検査・皮膚生検およびループスバンドテストで診断を試みる.

皮膚筋炎

著者: 牧野貴充

ページ範囲:P.1900 - P.1902

▶疾患の概要
 膠原病に分類され,皮膚症状と筋炎を主症状とする.好発年齢は若年と高齢者の2峰性となっており,一般に小児皮膚筋炎は臓器合併症が少なく予後良好とされ,高齢発症では間質性肺炎や内臓悪性腫瘍の合併が予後不良因子となる.近年,新たな疾患特異的自己抗体として,抗ARS抗体をはじめ,抗MDA-5抗体,抗TIF-1γ抗体,抗Mi-2抗体が保険適用となった.自己抗体の種類によって皮疹や臓器合併症の特徴が異なり,治療方針の検討や予後予測に有用である1)

サルコイドーシス

著者: 松田智子 ,   神戸直智

ページ範囲:P.1904 - P.1905

▶疾患の概要
 肉芽腫は,病原微生物の侵入や異物の迷入に際して生じる生体防御機能の1つとして形成される.サルコイドーシスは,病態の全容はいまだ明らかにされていないが,全身の諸臓器に乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫を認める疾患である.
 サルコイドーシスの罹患臓器として,皮膚は胸郭内,リンパ節,眼に次いで頻度が高く,発見の契機となる自覚症状のなかでは眼病変に次いで多い1).ただし,いずれの臓器病変においても自然軽快や増悪があることに加え,それぞれの臓器病変が必ずしも同時に出現するわけではなく,異時性に現れることもサルコイドーシスの特徴の1つである.このため,臨床経過は多様である.

〈毛包脂腺系疾患〉

尋常性痤瘡

著者: 谷岡未樹

ページ範囲:P.1906 - P.1907

▶疾患の概要
 尋常性痤瘡は,思春期以降に顔面および体幹に発症する.誰しも多かれ少なかれ経験する,ありふれた皮膚疾患である(図1).

酒皶

著者: 山﨑研志

ページ範囲:P.1908 - P.1909

▶疾患の概要
 酒皶は「周期的に悪化する特徴的なパターンの顔面中央部の紅斑」と「瘤腫・鼻瘤」を特徴とする慢性炎症性疾患である.酒皶以外にも顔面中央部に紅斑をきたす疾患は複数あるため,鑑別疾患・合併疾患の検索が酒皶の診断には重要である.

〈ウイルス感染症〉

単純疱疹,水痘,帯状疱疹

著者: 渡辺大輔

ページ範囲:P.1910 - P.1911

▶疾患の概要
〈単純疱疹〉
 単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus:HSV)1型,2型による皮膚疾患の総称である.初感染ではヘルペス性歯肉口内炎,性器ヘルペスなどを,再活性化により再発性口唇ヘルペス,性器ヘルペスを発症する.アトピー性皮膚炎など皮膚バリア障害のある患者に播種性に皮膚病変が広がった状態をカポジ水痘様発疹症という.

手足口病

著者: 久保田由美子

ページ範囲:P.1912 - P.1913

▶疾患の概要
 手足口病は,手,足,口腔粘膜,肘,膝,臀部などに水疱を主症状とするエンテロウイルス(EV)感染症で,乳幼児を中心に夏季に流行する.飛沫,接触,糞口感染のため,家族内や保育園などで集団感染を起こしやすい.

尋常性疣贅

著者: 川瀬正昭

ページ範囲:P.1914 - P.1916

▶疾患の概要
 いぼ(疣贅)は正式にはウイルス性疣贅といい,ヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus:HPV)が表皮幹細胞に感染して生じる良性腫瘍である.HPVは健常皮膚に感染しえず,微小外傷を通して初めて皮膚に侵入し,表皮深部に存在する幹細胞に感染すると考えられている1).感染様式としてヒトからヒトへの直接感染,器具などを介した間接的な感染経路や搔破行為に伴う自家接種がある.潜伏期間は数週〜数年と一定しないが,通常1〜6カ月,平均3カ月である.

伝染性軟属腫

著者: 玉城善史郎

ページ範囲:P.1918 - P.1919

▶疾患の概要
 伝染性軟属腫は皮膚の微小な外傷部位からポックスウイルス属の伝染性軟属腫ウイルス感染による疾患であり,俗に「水いぼ」とも呼ばれる.乳児から幼児に見られる皮膚感染症で,一般に10歳以上では見られない.春季から秋季に多く見られ,ヒトからヒトの直接感染が基本であるが,プールや入浴などの際にはビート板やタオルを介して感染することも多い1).通常数カ月〜1年程度で自然退縮が始まることが多いが,治療しない場合には100個以上に増数するケースもしばしば見られる.

〈細菌感染症〉

毛包炎

著者: 川上佳夫

ページ範囲:P.1920 - P.1921

▶疾患の概要
 毛包炎は単一毛包の入口部の感染症である.原因菌は主に黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌などの細菌である.病変が拡大すると,癤(せつ)・癰(よう)へと進展する.思春期以降,男性の顔面,頸部,上肢,臀部などに好発する1,2)
 癤(おでき)は先行する毛包炎が皮下組織まで進行した,深在性化膿性炎症である.黄色ブドウ球菌によることが多い.癰は隣接する複数の毛包を含み,皮下組織まで拡大する炎症である.黄色ブドウ球菌によることが多い.

伝染性膿痂疹

著者: 吉田和恵

ページ範囲:P.1922 - P.1923

▶疾患の概要
 伝染性膿痂疹は,皮膚細菌感染症の一種であり,いわゆる「とびひ」と呼ばれる.臨床的に,水疱を形成する水疱性膿痂疹と,痂皮が主体となる痂皮性膿痂疹の2種類に分類されるが,これらの混合感染も多い.

丹毒,蜂窩織炎

著者: 山﨑修

ページ範囲:P.1924 - P.1926

丹毒
▶疾患の概要
 丹毒は真皮を中心とする急性びまん性の細菌感染症である.発熱,悪寒,頭痛,嘔吐などの全身症状を伴って発症する場合が多く,疼痛のある浮腫性紅斑や辺縁隆起する浸潤性局面となる(図1).高齢者に多いが,新生児や小児でもみられる.通常はA群レンサ球菌や黄色ブドウ球菌による1).稀にB群レンサ球菌,肺炎球菌,大腸菌,Proteus mirabilisAcinetobacterEnterobacter,緑膿菌,Pasteurella multocidaCrypcococcus. neoformansなどによる.癌,化学療法,慢性リンパ浮腫,肝硬変,糖尿病,ネフローゼ症候群,医原性免疫不全,好中球減少症,免疫不全症候群,低栄養,腎不全,動脈硬化症などが発症の危険因子である.好発部位は顔面,下腿,臍部であり,リンパ浮腫が先存することが多い.小児では,眼囲,頰,頸部が多い.同一部位に再発することがある.

〈真菌感染症〉

足白癬

著者: 常深祐一郎

ページ範囲:P.1928 - P.1929

▶疾患の概要
 白癬は白癬菌が表皮の角層に感染したものである(図1,図2a).表皮細胞は自然免疫の受容体を有し,白癬菌を感知できるが,足底は角層が厚いため,その下の生きた表皮細胞との間に距離があり,感染が持続しやすい.ただし,まったく感知できないわけではなく,一定の感染防御反応が起こる.
 感染防御反応は,①表皮のターンオーバーを速くして白癬菌を押し出す(図2b),②海綿状態(表皮細胞間浮腫)を生じさせて水分とともに白癬菌を洗い出す(図2c),③表皮や角層を厚くして侵入を阻止する(図2d),抗菌ペプチドを産生する,④サイトカインを産生し好中球などの白血球を遊走させて殺菌・貪食させる,などさまざまな方法がとられる.速いターンオーバーは鱗屑として(図2b),海綿状態は水疱として(図2c),厚い角層は過角化(図2d)として肉眼的に皮疹に現れる.また,趾間では湿度が高いため角層が浸軟(ふやけること)する.

癜風

著者: 佐藤友隆

ページ範囲:P.1930 - P.1932

▶疾患の概要
 癜風〔tinea versicolor(pityriasis versicolor)〕は発症頻度の高い皮膚真菌症である.皮膚に常在する酵母様真菌であるマラセチア(Malassezia spp.)によって生じる疾患である1).脂腺は,マラセチアにとって必要な栄養素を供給する脂肪に富んだ汗を分泌する.高温多湿や多汗,免疫抑制状態はマラセチアの過剰増殖を促し,癜風を発症する2).マラセチアは脂酸合成酵素を有さないため,脂質要求性が高く市販のサブロー培地に培養しても発育しない.現在,ヒトに寄生するMalassezia属真菌は(M. globosa, M. restricta, M. furfur, M. sympodialis, M. japonicaなど)10種類知られている.癜風の原因菌はM. furfurとされていたが,分子生物学の進歩により日本人では主にM. globosaとされた.マラセチアは常在菌であるので,人種や気候で異なる3)
 癜風は色素斑または脱色素斑から成り,しばしば融合傾向がある.体幹や上腕に生じる.夏に多く,さまざまな脂漏部位(脂腺の多い部位)に生じやすい.胸骨領域や間擦部,胸部,腹部の辺縁に多い4)

〈節足動物感染症〉

疥癬

著者: 和田康夫

ページ範囲:P.1934 - P.1935

▶疾患の概要
 疥癬は,皮膚科医にとってもやっかいな疾患である.診断が難しく,集団感染を引き起こすおそれがあるからである.原因は,ヒゼンダニという微細なダニである.ヒゼンダニは皮膚角層の中に寄生し,産卵し,成虫へと発育し,また産卵して数を増やしていく1).ヒゼンダニは,大きさ0.3mmと微細である.それゆえ,見つけにくく診断に苦慮する.湿疹と誤診しステロイド外用治療を漫然と行っていると,角化型疥癬(ノルウェー疥癬)という重症型に移行する.角化型疥癬は,感染力が極めて強く,容易に集団感染を引き起こす.

〈色素異常症〉

肝斑

著者: 櫻井直樹

ページ範囲:P.1936 - P.1937

▶疾患の概要
 顔面に生じる色素沈着である.紫外線が増悪因子であり,夏に濃く,冬に薄くなる傾向がある.洗顔時にこすりすぎる刺激による色素沈着とする説もある.本症は女性に多く,妊娠中や経口避妊薬内服中に発症するケースも知られており,女性ホルモンの関与が考えられている.しかし,閉経後に本疾患が存在するケースや男性例もあること,症例により治療の反応性がさまざまであることから,筆者は肝斑は症候群であろうと考えている.
 肝斑は,老人性色素斑のような器質性疾患ではなく,局所のメラノサイトのメラニン産生機能が亢進している機能性疾患であり,最近では真皮乳頭層レベルの毛細血管や老化した線維芽細胞の関与を指摘する研究もあり,それらにアプローチする治療も開発されてきている.

老人性色素斑

著者: 櫻井直樹

ページ範囲:P.1938 - P.1939

▶疾患の概要
 いわゆる,年齢性の「シミ」とは,一般的にはこの老人性色素斑のことである.海水浴などで日焼けした後に上背部に本症が多発することがあり,光線性花弁状色素斑と称されるが,本質的な差異はない.

尋常性白斑

著者: 大磯直毅

ページ範囲:P.1940 - P.1941

▶疾患の概要
 尋常性白斑(vitiligo vulgaris)は,2011年に白斑(vitiligo)と定義された1).白斑(広義)は,①非分節型白斑(non-segmental vitiligo)/白斑(狭義),②分節型白斑(segmantal vitiligo),③未分類型白斑(undetermined/ unclassified vitiligo)に分類された1).白斑は後天性の脱色素斑で,0.5〜2%が罹患する自己免疫性の難治性皮膚疾患である2,3)
 原発疹としての白斑(leukoderma)はメラニン色素の脱失で生じる白色の斑と,局所的な貧血により白色調に見える病変部を意味する.白斑(vitiligo)と白斑(leukoderma)は,日本語では同一医学用語でも,英語では2つの異なる医学用語となる.

〈良性腫瘍〉

脂漏性角化症

著者: 芦田敦子

ページ範囲:P.1942 - P.1943

▶疾患の概要
 脂漏性角化症(老人性イボとも言われる)は表皮や毛包の角化細胞由来の良性腫瘍である.中年以降の顔,頸部,手背,背部,前腕などに好発する.通常,盛り上がらない色素斑で始まり,次第に隆起し結節や腫瘤を形成する.腫瘍内にメラニン(表皮内のメラノサイトが産生する)を有することが多い.したがって,色調は含有するメラニン量によって皮膚色,淡褐色,濃褐色,黒色になる1).表面の性状は平滑,角化性,乳頭状,疣状など多様である.

稗粒腫

著者: 大松華子

ページ範囲:P.1944 - P.1945

▶疾患の概要
 稗粒腫とは,角化細胞(表皮を構成する細胞)もしくは皮膚付属器(毛包,汗管,脂腺)成分が,表皮直下で囊腫状に増殖して生じたものである.囊腫内には角質塊を有する.原発性と続発性がある.

脂腺増殖症

著者: 加藤裕史

ページ範囲:P.1946 - P.1947

▶疾患の概要
 脂腺増殖症は,いわゆる老人性脂腺増殖症と,生理的な脂腺増殖(Fordyce状態)に分類される.いずれも腫瘍性変化ではなく,過形成の一種であり,正常な皮脂腺の拡大に起因する日常的に遭遇する病変の1つである.病理学的には一部脂腺腫などと組織学的特徴を共有する点もあるが,臨床的に特徴的な外観であり,鑑別は容易である.

色素性母斑

著者: 入澤亮吉

ページ範囲:P.1948 - P.1949

▶疾患の概要
 色素性母斑の母斑細胞は神経櫛(neural crest)由来の細胞でメラニン細胞に類似し,メラニン色素の産生能を有する1).メラニン色素は黒色のユーメラニンと黄色のフェオメラニンが存在するが,日本人においては白人と比較してユーメラニンの比率が高い2).色素性母斑の色調はこのメラニンの量と,局在の深さによって決定される3).例えば表皮真皮境界部にメラニン色素があれば褐色調を呈し,この量が多量となれば黒色調を呈する.青色母斑のごとく真皮中層にメラニン沈着があれば青色調を呈するが,真皮内母斑においては概して真皮直下の母斑細胞のみがメラニンを産生するため灰色〜黒色を呈する2)

皮膚線維腫

著者: 岩澤うつぎ

ページ範囲:P.1950 - P.1951

▶疾患の概要
 皮膚線維腫は成人の四肢に好発し,直径数mm〜2cm程度の褐色調の隆起性丘疹,結節を呈す.線維芽細胞やマクロファージが真皮内で限局性に増殖した良性の硬い腫瘍である.虫刺されや軽微な外傷に対して反応性に結合織要素が増殖してできたものと考えられ,厳密な意味では腫瘍ではないとする考え方もある1)
 緩徐に増大し,ある程度の大きさになると変化しなくなる.痒みや痛みなどの自覚症状はほとんどない.虫刺されや軽微な外傷に対する反応とも考えられているため,発生する部位は露出部位である前腕や下腿に多い.

〈悪性腫瘍〉

悪性黒色腫

著者: 中村泰大 ,   梅田善康 ,   石月翔一郞

ページ範囲:P.1952 - P.1953

▶疾患の概要
 皮膚悪性黒色腫は,主として表皮基底層に存在する色素細胞が癌化することで生じる皮膚悪性腫瘍である.臨床所見や発生部位を加味して,①末端黒子型,②悪性黒子型,③表在拡大型,④結節型,の4つの病型に分類されている(図1).また皮膚以外では,粘膜,脳軟膜や眼球脈絡膜にも色素細胞が存在することから,これらの部位にも悪性黒色腫が生じることがあり,上記4病型と区別して取り扱われることが多い.
 近年,分子生物学,遺伝学的研究により,悪性黒色腫を日光曝露の累積量(cumulative sun damage:CSD),解剖学的部位,遺伝子異常によって分ける新たな分類が提唱されている1〜3).従来の悪性黒子型に相当する日光曝露累積量が高いhigh-CSD melanoma,従来の表在拡大型に相当する日光曝露累積量が低いlow-CSD melanomaと分類し,それ以外の悪性黒色腫は,従来の末端黒子型に相当する四肢末端部の黒色腫(acral melanoma),粘膜部の黒色腫(mucosal melanoma),眼球内の黒色腫(uveal melanoma),malignant Spitz tumor,先天性色素性母斑に生じるもの,青色母斑に生じるものに分類している.

日光角化症,Bowen病,有棘細胞癌

著者: 前川武雄

ページ範囲:P.1954 - P.1957

▶疾患の概要
〈有棘細胞癌とは〉
 皮膚は体表から順に表皮,真皮,皮下組織の順に構成され,表皮はさらに角層,顆粒層,有棘層,基底層の4層に分けられる.このうち有棘細胞癌は表皮有棘層の角化細胞(ケラチノサイト)から発生する癌であり,英語ではsquamous cell carcinoma(SCC)と表記される.他臓器の重層扁平上皮から生じる悪性腫瘍は扁平上皮癌と呼称されるが,有棘細胞癌とはほぼ同義語と考えてよい.有棘細胞癌の中で表皮内癌の状態をSCC in situと呼び,日光角化症(actinic keratosis:AK)やBowen病はSCC in situの疾患である.

基底細胞癌

著者: 岸晶子

ページ範囲:P.1958 - P.1959

▶疾患の概要
 基底細胞癌(basal cell carcinoma:BCC)は,毛芽細胞に分化した腫瘍細胞で構成される悪性腫瘍である.本邦で最も頻度の高い皮膚悪性腫瘍で,転移はきわめて稀だが局所破壊傾向は強く,70歳以上の高齢者に多い.PTCH1遺伝子の変異を特徴とし基底細胞母斑症候群患者に多発する.臨床像は結節型,表在型,斑状強皮症型に大別される.結節型が最も頻度が高く,顔面,特に正中付近の鼻,下眼瞼,上口唇に多く見られる.次に多いのは表在型で,体幹に好発する.

乳房外Paget病

著者: 吉野公二

ページ範囲:P.1960 - P.1961

▶疾患の概要
 乳房外Paget病は汗腺由来の表皮内癌で,高齢者の外陰部に好発し,そのほか,肛門,腋窩にも生じる.臨床所見は紅色局面を呈することが多いが,外陰部は陰部湿疹,股部白癬やカンジダ症の好発部位であり,そのため診断までに時間を要することが多い.表皮内癌の状態で緩徐に進行していくが,真皮内浸潤を生じるとリンパ行性転移をきたし,死に至ることもある.

特集の理解を深めるための58題

問題/解答

ページ範囲:P.1962 - P.1969

連載 見て,読んで,実践! 神経ビジュアル診察・30

歩き方がヘン!?—痙性片麻痺歩行

著者: 難波雄亮

ページ範囲:P.1801 - P.1804

 内科の診察で歩き方を見ることはありますか? 実は診察室に入ってきて着席するまでに,意外に診るべきポイントは多いんです.全身状態・呼吸・顔色などなど尽きません.特に歩行の観察は神経疾患を手っ取り早くスクリーニングするうえで有用な診察法です.今回は遭遇する頻度が高い,「痙性歩行」について学びましょう!
 
*本論文中、関連する動画を見ることができます(公開期間:2022年9月30日まで公開)。

目でみるトレーニング

問題961・962・963

著者: 梶川豪 ,   山村健史 ,   原田拓 ,   増田慶太

ページ範囲:P.1970 - P.1976

ケースレポートを書こう! acceptされるために必要なこと・7

投稿先の選択と投稿の実際

著者: 見坂恒明

ページ範囲:P.1977 - P.1983

 ケースレポートや論文の投稿先は,インパクトファクター(IF)が高く,投稿から判定までの期間が短く,さらに却下(reject)された場合でも有意義なコメントをもらえる雑誌が理想である.しかし,それはさまざまな雑誌に何度も投稿してみないとわからない.よって,投稿先の選択は論文を数多く投稿している人に聞くのがベストである.投稿先選びのアドバイスだけなら共著者として記載する必要はなく,通常は謝辞(acknowledgment)として記載する程度でよい.
 投稿先を相談する相手としては,職場の上司のほか,関連学会や有志のメーリングリストなどが挙げられる.しかし,筆者は『IDATEN』(感染症関連),『JSEPTIC』(救急集中治療関連),『JHospitalist Network』(総合診療関連)といったメーリングリストに加入しているが,残念ながら投稿先の相談はほとんど見かけたことがない.本連載の第1回(2020年4月号)で紹介したFacebook上でのクローズドグループ「ケースレポート(case reportとclinical picture)を書こう」ではよく投稿先の相談が挙がっている.こちらに相談していただければ,さまざまな医学系分野で活躍する人たちから,自身の経験も加味して「どの雑誌に投稿するのがよいか」をアドバイスしてもらえるので,投稿先の候補がある程度ピックアップされるだろう.もちろん,筆者も自身の関連分野であれば積極的にアドバイスしている.

フレーズにピンときたら,このパターン! 鑑別診断に使えるカード・10

「polyneuropathy(多発神経炎)」「sensory ataxia(感覚性失調)」「脈拍の上昇に乏しい起立性低血圧」

著者: 長野広之

ページ範囲:P.1984 - P.1993

総論
 神経炎は単神経炎(mononeuropathy),多発単神経炎(mononeuritis multiplex),多発神経炎(polyneuropathy)に分かれます.末梢神経の局在に沿っていれば単神経炎を,それが複数存在すれば多発単神経炎を,遠位優位の靴下・手袋型では多発神経炎を考えます.多発神経炎はまず足先から始まり,膝くらいまで広がったあたりで上肢にも指先から症状が出現し,重度の場合,臍部付近にも出現します.
 多発神経炎は一般人口の2〜3%,55歳以上では8%に認める高頻度な症候です1).原因としては台湾の520例の多発神経炎の報告が参考になります(図1)2).個人的な経験ではビタミンB12/B1欠乏(本研究では栄養障害に含まれる)がもう少し多い印象があります.

物忘れ外来から学ぶ現場のコツ 認知症患者の診かた・29

独居の場合の認知症診療はどうしたら良いですか?

著者: 重松一生

ページ範囲:P.1994 - P.1999

ポイント
将来を見据えながら,生活支援をしていくことが重要です.

本気で書く! 入院時サマリー! 患者情報,丸見え化プロジェクト・5

Advance Care Planning!〜カルテから紐解く,人生の歩み

著者: 徳田嘉仁

ページ範囲:P.2002 - P.2007

 急性期病院に入院した高齢患者では,何らかの意思決定支援を,複雑な状況(認知症のため本人の意思表示が困難など)で迫られることが多い.例えば「胃瘻造設を行うかどうか」や「自宅に戻るか,他の病院へ転院するか」などはよくあるケースと思われる.
 そうした意思決定支援を行う際,近年よく耳にするのがAdvance Care Planning(ACP)だ.今回はこのACPをいかに入院時サマリーに落とし込むか,を主題とした研修医と指導医のやりとりを見ていきたい.

書評

—宮入 烈 監修 大久保祐輔 執筆 宇田和宏 執筆協力—Dr. KIDの—小児診療×抗菌薬のエビデンス

著者: 名郷直樹

ページ範囲:P.1865 - P.1865

 私は10年ほど前からTwitterを利用している.そのなかで小児のコモンディジーズに関して最も役に立つ情報を提供してくれていたのがDr. KIDである.私のクリニックの外来の3割は小児であるが,Dr. KIDのつぶやきなしに診療できないといってもいいほど,その情報は日々の診療にダイレクトに役立つものであった.
 臨床研究やそのシステマティックレビュー論文を網羅的に紹介し,臨床医のために情報提供をするというスタンスは,私自身がここ20年以上取り組んできた仕事の1つであるが,それを日々のつぶやきとブログの積み重ねのなかで軽々とやってのけるDr. KIDの登場は感慨深いものがあった.

—天野雅之 著—病状説明—ケースで学ぶハートとスキル

著者: 藤沼康樹

ページ範囲:P.1881 - P.1881

 医師は患者の診断と治療を行う仕事であると一般にはイメージされています.しかし,実は患者や家族に何らかの「説明」をすることに,医師は多くの時間を費やしています.入院時の説明,病状の説明,予後の説明,退院や転院の説明,お看取り後の説明など,実に多くの場面で「説明」をしているのです.こうした「説明」がわかりやすいタイプの医師とわかりにくい,伝わりにくいタイプの医師がいることは私の経験上も明らかです.例えば,病状説明をするときに,疾患の病態生理をまるで学生に講義するように行う医師もいれば,まず患者の様子をみて「いかがですか?」と開かれた質問を使って説明相手の感情にアプローチする医師もいます.おそらく説明する内容(コンテンツ)は医学知識に由来するものでしょうが,その語り口はほぼ個々の医師の「個性」と従来は見なされていたように思います.この個性は医師自身の生育史や価値観に相当依存したもので,ある種のバイアスに満ちています.しかも,退院や転院の説明などは,医学知識の伝達というよりは,ある種の意思決定を伝えて同意をしてもらうということですし,治療の説明は患者・家族と医療者で協働の意思決定を要するので,単なる伝達ではあり得ず,ヘルスコミュニケーションの中でも最も難しい部類に入るもので,「個性」だけに依存していると,うまくいかない場合の対処に困り,医師自らが困難事例を生み出してしまうことになりかねません.
 この『病状説明 ケースで学ぶハートとスキル』という本では,この「説明」する仕事をする専門職という視座から,患者・家族と医療者のコミュニケーション全般を再構成しようとする野心的な試みが行われています.

—尾身 茂 著—WHOをゆく 感染症との闘いを超えて

著者: 井戸田一朗

ページ範囲:P.2000 - P.2001

 私は,現在は一介の開業医ですが,2003〜2005年にWHO南太平洋事務所にて,結核対策専門官として南太平洋15カ国における結核感染症対策に携わる機会がありました.赴任前の2002年10月,当時WHO西太平洋地域事務局(WPRO)の事務局長だった尾身茂先生の面接を受けました.ちなみに私をWHOに誘ったのは,現WPROの葛西健先生です.葛西先生は私を事務局長室に連れて行き,尾身先生を紹介してくださいました.当時の私は30歳台前半で,WHO内の右も左もわからず,国際保健業界で既にレジェンドの尾身先生を前に,カチコチに緊張しました.尾身先生は,テレビの印象とは異なり,どちらかというと親分肌の方でした.緊張でろくに返事もできない私を,葛西先生が助けてくれたのを覚えています.
 COVID-19流行による混乱のさなかにある2020年5月11日,参議院予算委員会にて国会議員の質問に対する尾身茂先生の答弁があり,優しい口調で語り掛けるように丁寧にお答えになる姿を動画で見ました.国内外の会議において雄弁で大胆にご発言をされる尾身先生を私は知っているので,「ちょっと意外……」と思いつつ見ていたところ,答弁を妨げるようなやじや,期待した内容の答弁が得られなかったことに対するいら立ちの声が上がり驚きました.

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出版社:株式会社医学書院

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特集 抗血栓療法のジレンマ—予防すべきは血栓か,出血か?

56巻1号(2019年1月発行)

特集 枠組みとケースから考える—消化器薬の選び方・使い方

55巻13号(2018年12月発行)

特集 これからの心不全診療への最新アプローチ—予防からチーム医療・先進医療まで

55巻12号(2018年11月発行)

特集 内科医のための「ちょいあて」エコー—POCUSのススメ

55巻11号(2018年10月発行)

特集 どんとこい! 内科医が支える—エンド・オブ・ライフ

55巻10号(2018年9月発行)

特集 クリティカル・ケアを極める—一歩進んだ総合内科医を目指して

55巻9号(2018年8月発行)

特集 もっともっとフィジカル!—黒帯級の技とパール

55巻8号(2018年7月発行)

特集 血液疾患を見逃さないために—プライマリ・ケアと専門医コンサルトのタイミング

55巻7号(2018年6月発行)

特集 ここさえ分かれば—輸液・水・電解質

55巻6号(2018年5月発行)

特集 プロブレムから学ぶ感染症診療—すぐに役立つ厳選シナリオ30選

55巻5号(2018年4月発行)

特集 明日のために解くべし!—総合内科問題集

55巻4号(2018年4月発行)

増刊号 プライマリ・ケアでおさえておきたい—重要薬・頻用薬

55巻3号(2018年3月発行)

特集 —クリニカル・クエスチョンで学ぶ—循環器薬の使い方

55巻2号(2018年2月発行)

特集 —デキる内科医の—神経内科コンサルト

55巻1号(2018年1月発行)

特集 気管支喘息・COPD診療に強くなる

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