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文献詳細

雑誌文献

medicina57巻11号

2020年10月発行

文献概要

特集 皮疹はこう見る,こう表現する 基本の発疹を理解する

膿瘍

著者: 竹腰知紀1

所属機関: 1国際医療福祉大学三田病院皮膚科

ページ範囲:P.1834 - P.1835

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▶発疹の定義
 膿瘍とは,主に細菌感染によって引き起こされる化膿性炎症により,限局性に組織が融解壊死したことで形成した間隙に膿が貯留した状態を指す1).皮膚の膿瘍では炎症を反映して局所の表面に発赤,腫脹,熱感,圧痛,疼痛を認めることが多い.膿汁の貯留が顕著になると,表面を押したり離したりすることで内部の液体が波打つように触れるようになる(「波動を触れる」と記載される).
 特殊な膿瘍の形態としては,冷膿瘍がある.肺やリンパ節などの結核病変が連続性に皮膚に波及することで形成されるもので,当初は淡紅色で無痛性の皮下結節であったものが数カ月で軟化し,皮膚に瘻孔を形成して排膿する.この際に発赤や熱感などの急性炎症症状を伴わないことが名前の由来となっている2)

参考文献

1)中村 實(監),金森勇雄,他(編著):第2部第9章感染症.〈新編〉臨床医学概論,pp30-36,医療科学社,2004
2)清水 宏:あたらしい皮膚科学,第3版,中山書店,2018
3)川端康浩:アテローム(粉瘤).公益社団法人日本皮膚科学会ホームページhttps://www.dermatol.or.jp/qa/qa17/index.html(2020年6月閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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