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文献詳細

雑誌文献

medicina57巻11号

2020年10月発行

文献概要

特集 皮疹はこう見る,こう表現する 基本の発疹を理解する

鱗屑

著者: 出光俊郎1 梅本尚可1

所属機関: 1自治医科大学附属さいたま医療センター皮膚科

ページ範囲:P.1840 - P.1842

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▶発疹の定義
 鱗屑(scale)は炎症(角化亢進)や角化異常(角化遅延)により,皮膚の最外層にある角質が白く見えるもので,鱗屑が皮膚から剝離,脱落することを落屑(desquamation)という1).滲出液や血液を混じるものを鱗屑痂皮という.実際の臨床では続発疹のみが目立つことも少なくない.鱗屑から本来の特徴的な発疹を推定して診断できることもあり,皮膚疾患の診断に原発疹を頭の中で復元する想像力が試される.筆者は鱗屑から診断を進めて行く手法を重視し,皮膚科診断学アナザーストーリーとしてその重要性を提唱している2)

参考文献

1)Coulson IH, et al:Function of the skin. Griffiths C, et al(eds):Rook's Textbook of Dermatology, 9th ed Volume 1, pp. 4. 5-4. 19, Wiley-Blackwell, Hoboken, NJ, 2016
2)出光俊郎:皮心伝心 皮膚科診断学アナザーストーリー.皮膚病診療 39:794, 2017
3)北島康雄:角層の構造と機能,目でみる皮膚科学 特集:北島康雄レクチャー—皮疹を「因数分解」してみよう.Visual Dermatol 9:1241, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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